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公益財団法人 西熊谷病院

公益財団法人 西熊谷病院 理事長      林 文明 様
人事企画課 課長 鮎澤 信江 様
人事企画課    林 裕貴 様

法人概要

埼玉県熊谷市に位置し、大正13年に創立され今年で創立100周年を迎える日本で最も長い歴史を持つ精神科病院の一つ。全528床の入院機能を有し、精神科救急病棟、急性期治療病棟、精神療養病棟、認知症治療病棟等、幅広い治療空間を提供している。

http://www.nishikuma.or.jp/hospital/

ZACからのコメント

 「日本一働きがいのある精神科病院へ」、「精神科医療のスペシャリストを育成する」というビジョンの元、医師も含めた全職種の人事制度再構築、管理者育成等に取り組まれました。西熊谷病院様で印象的なのはすれ違いざまの気持ちの良い挨拶。医師含めすべての職種の方々が挨拶をしてくださる病院はなかなか珍しいので、伺う度に元気をもらっています。
 数あるクライアント様の中でも「最も熱く人材育成に取り組んでいらっしゃる病院の一つ」ということもあり、本プロジェクトを中心となって進めていただいた人事企画課の鮎澤課長と林様、プロジェクトが始まるきっかけになったビジョンをお示しいただいた林理事長(埼玉県精神科病院協会 会長)にお話を伺ってまいりました。

職員のレベルアップが、業績の向上にも繋がった

(金森)人事や育成というのはともすると一番後回しになりがちな分野だと思いますが、経営においてはどのようなことを大切になさっていますか。

(林理事長)一言で言えば組織づくりです。当院は今年100年を迎える病院で大変歴史ある病院なのですが、今までは組織としての規律みたいなものがあまりしっかりしていなかったところがあるんですよね。それでも昔は成り立ってしまっていたところもありましたので…。ただこれからの時代はそういうわけにもいかないので、前理事長の時から基本理念をしっかりと定めて組織体を作っていく取り組みをしてきました。その中で、人事、評価などもなかなか整備しきれていないところはありましたので、その流れで今回ご支援をお願いしたという経緯になります。

(金森)たしかにこの分野は今後、大きな差がついてくるところかもしれませんね。組織づくりや人事面の見直しにおいて、今まで大変だったことはありますか。

(林理事長)そうですね、実はこれまでも鮎澤課長を中心に人事考課はやったりはしていたのですが、それがなかなかフィットしないことが一番の悩みでした。やはり企業体の人事評価と医療体の人事評価というのは少し違ったんですね。おこがましいかもしれませんが、医療というのは利益をあげればよいということでもないものですから「成果だけの評価」では不十分で、「人のため」にということが前提になるので、そうした面でうまくフィットしなかったのかなと思います。

(金森)なるほど、たしかに一般企業向けのものとは全然違うところがありますもんね。

(林理事長)そうですね。今回ZACさんに制度設計をご支援いただくにあたり、制度の構築・運用の過程や御社の研修を通してもそうですが、職員がレベルアップしていくのを私自身も実感することができています。そうしたことがやはり経営の実績にも数字として出ているんですよね。去年はコロナで特に精神科病院はどこも厳しかったんですが、去年から今年にかけて入院患者数やら収益自体も数字としてはあがってきています。客観的な基準があって、関わる方々に居場所を作って目的・理念を明確にするというところが、制度作りや運用を通じて実現できてきているのかなと思います。

精神科医療のプロフェッショナルを担う人材育成に取り組まれている林理事長

日本一働きがいのある精神科病院を目指して

(金森)今後のビジョンについてもお聞かせいただけますでしょうか。

(林理事長)今後のビジョンとしては、「精神科病院として日本で一番優れた病院に」ということを考えています。色々な優秀さがあると思いますけど、職員にとって働きがいがあり、医療に貢献できているという実感がもてる、そういうところで日本一を目指していきたいですね。そのために人事評価も含めてですが、人材育成に関わるものは充実させていきたいと考えています。

林理事長(左)とZAC代表金森(右)

専門職を巻き込んで、それぞれのプロフェッショナリズムを評価する仕組みを

(金森)まず人事制度をリニューアルしようと思ったきっかけや背景をお聞かせいただけますか。

(鮎澤様)人事制度を変えようと思ったきっかけは、林院長から「プロフェッショナルな職員を育成したい」という話をいただいたことでした。最初は教育制度とか研修制度とかそういうものを考えたのですが、それだけ入れても結局やらされるだけになってしまってうまくいかないんじゃないかと思ったんです。色々と考えていく中で、精神科のプロフェッショナルというところをきちんと評価できるような評価制度を導入してしまえば、少し時間はかかるかもしれないですけど、最終的にはその方がうまくいくのではと考えました。

(金森)すごいひらめきですね。

(鮎澤様)はい(笑) ただ、病院という組織は専門職の集まりなので、結局それぞれの職種なりのプロフェッショナリズムがあるんですよね。それを私が全部作るわけにもいかないですし、正直わからないところもありました。であれば、それを専門職のみなさんにもご協力いただきながら評価制度という仕組みにしてしまって、レベル・スキルが上がったことをしっかり評価してあげられる形を作ったほうが早いのかなと思いました。

企画段階からプロジェクトを率いた鮎澤課長

パッケージを納品して終わり、にならないパートナーを探した

(金森)ちなみに、どうして弊社を選んでいただけたんですか?

(鮎澤様)ZACさんにお願いしたきっかけは、元々うちの看護の方の研修を先にやっていただいていたことでした。看護部の方にお話をきいたら「すごく研修の内容がいいので、何度かお願いしているんです」とのこと。調べてみると人事コンサルティングもやられているということで、一度お話を聞いてみようかなと思ったのがきっかけでした。

(金森)なるほど、では本当にタイミングとご縁ですね。

(鮎澤様)そうですね。実は前の会社にいたときにも研修の部門にいたことがありまして、そこでそういうコンサルの方にもお話を伺ったことがあったのですが、なんというか…、できあがったものを入れて「はい、終わり」みたいなイメージがあったんです。そういうのはちょっとなぁと思っていたので、そうでないところにしたかったですね。そういう意味では、ZACさんと出会えて、いいご縁があって本当によかったなと思っています。

学校や老健も併設された新棟の会議室にてお話を伺いました

期初面談時の上司とのコミュニケーションを通して、部下の「迷い」が消えた

(金森)人事評価制度を運用していくにあたり、心配だったことなどはありますか。

(鮎澤様)はい、そうですね。最初は「これ、できるかなぁ」とちょっと不安でした。今まできちんと評価の研修などをやってきたわけでもなかったので、役職者が職員一人ひとりとお話しながら目標を作っていくということができるか心配だったんです。でも、「こういう制度を今度導入していきますよ」という説明をしていくと、思ったよりも皆さんがきちんと理解してくれました。反対意見の方が多いのかなと思ったりしていたのですが、逆に早くこういうのをやってほしかったという意見が多く、前向きに捉えてくれる人がたくさんいたのには驚きましたね。

(林様)期初面談後にアンケートを取らせていただいたのですが、そこでも非常にポジティブな反応が多かったです。期初に各々の目標設定が共有できるので、迷いが減ったり、それによってモチベーションをあげることができたという意見がでてきました。今まで上司となかなか話す機会がない職員も結構いらっしゃったようで、上司とコミュニケーションがとれて、何をすればよいか、どこに力を入れていけばよいかということもはっきりするので、被評価者としてもすっきりするんでしょうね。

(鮎澤様)確かに評価する側からしても、一定の基準があるからこそ「こういうことをやってほしい」と言いやすかったり、評価される側からしても自分が何をすればいいのかわかりやすいということなのかもしれませんね。

親しみやすいお人柄で現場からの意見を吸い上げる林様(左)と鮎澤課長(右)

制度のブラッシュアップにとどまらず、組織文化へと落とし込む

(金森)実際に運用開始してみて難しかったことなどはありましたか。

(林様)やはり慣れない中ということもあって、通常業務もある中面談時間を確保するというのは、最初は難しいところもあったようですね。

(鮎澤様)そうですね。ただ、面談そのものはアンケートでも結果がでているようにすごく良い情報共有の場だと思っていまして、こういうものを続けていくと組織もすごく変わっていくだろうなと感じています。「それぞれが言い合って聞き合う」というような組織文化ができてくると、お互いを認め合えるようになるんじゃないかと思いました。

(金森)そういう文化ができると本当に強いですよね。それにしても、通常だと「面談が大変そうだから減らそう」というベクトルになりがちなところですが、そうではなくそれを組織の呼吸にしてしまおうというのは本当に素晴らしいですね。

(鮎澤様)ありがとうございます。どうやってブラッシュアップしていくかということを考えた時にも、やはり制度そのものをということだけではなくて、いかにして組織文化に落とし込んでいくかということが重要だと思います。この文化こそが、林院長が目指す日本一働きがいのある精神科病院にということにも繋がっていくのかなと思いますね。

(林様)そうですね。病院だと各々がすごく忙しいし、なかなか集まって情報共有とかコミュニケーションを取る時間や場面を作りにくいというのは感じていたので、こういう制度を導入したことで、コミュニケーションや価値観の共有といったところまでできて一体感も生まれるというのは、非常に良い仕組みだと思います。

別業種と病院の環境の違いと現制度の効用を語る林様

役職者の育成を通じて、人事制度との相乗効果を図っていきたい

(金森)制度のブラッシュアップを通じて組織文化に落とし込むというお話をいただきましたが、今後力を入れていきたいことはありますか。

(鮎澤様)そうですね。今後、この制度をもっとよくしていくためには、評価者や役職者の育成がとても大切になると思っているので、そこに力を入れていきたいなと考えています。聞く力などもそうですし、「マネージャーとして大事なこと」について浸透させていきたいなと。

(金森)たしかにそれがあると、制度をより自由自在に使っていけるようになりますよね。

(鮎澤様)はい。例えば、周囲を力強く引っ張っていく、上に立って発言するということだけがリーダーではないと思うんです。ZACさんの研修でやっていただいているセキュアベースリーダーシップ、あれが本当にもう真髄というか、「これさえできれば!」というものだなと思っています。「肩を抱き、光を見せて、背中を押す」というあの言葉が本当に素晴らしく、本当にもうこれだけでいいんじゃないかと思っているくらいです。

(金森)嬉しいですね!

(鮎澤様)実は先日もある役職者の方が、「マネージャーって何ができれば良いと思う?」という質問に対し、「ZACさんの研修で教わったセキュアベースリーダーシップ、それができれば十分じゃないですかね」と答えてくださった方がいたそうです。それがすごく嬉しくて…!

(金森)いやぁ本当ですね。そういうリーダーがいるだけでも人が集まってくる組織になりますよね。

(鮎澤様)はい。初めてマネージャーになる方は不安に思う方もいらっしゃると思いますが、研修で教わったことや制度を通じて、安心してそれぞれのリーダーシップを発揮できる環境を作ってあげたいなと思っています。

明るい光が差し込む休憩スペースにて

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