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社会福祉法人ボワ・すみれ福祉会

社会福祉法人ボワ・すみれ福祉会 理事長 田部井 眞 様

法人概要

「誰にも優しい地域社会をつくります」を理念に、都内で障がいを持つ高齢者、幼児などの支援を行う。就労継続支援(B型)、生活介護事業、児童発達障害支援放課後デイサービス、共同生活支援、指定特定相談支援 指定障害児相談支援などの事業を展開中。

https://bowasumire.jp/

ZACからのコメント

 これまでも人事評価の仕組みに関して長年工夫を重ねていらっしゃいましたが、今回改めて「エビデンス(事実)に基づくわかりやすい評価」を旗印に、人事評価制度リニューアルと評価者研修等に取り組まれました。ご一緒させていただく中でとりわけ印象的だったのは、組織の仕組みづくりに対する飽くなき探究心です。人事評価制度は作って終わりではなく、そこからがスタートです。今回はその探求心の源泉、様々な仕組みの中でも弊社を選んでいただいた基準等について、長年法人を率いる田部井理事長からお話を伺いました。

基準に基づいて頑張りを認めてあげられる仕組みが欲しかった

(金森)今回、人事評価制度を見直されたのはどのような背景があったんですか?

(田部井様)一番の目的は、きちんと仕事をしている人間に対して「よく頑張ってるよね」という個人的な感想だけではなく、組織の仕組みとして評価をしてあげられるようにしたかったというところだと思います。福祉業界って、非定型業務、非営利で、なかなか仕事の成果って見えにくいところがありますよね。瞬間的に消費されているサービスを提供しているわけでもありますし。そのような中だからこそ、きちんと事実に基づいて評価がなされて「それでいいんだよ」と自信をもって言ってあげられる仕組みが必要だと思いました。

(金森)そういう意味では弊社とはすごく相性がよかったかもしれないですね。仕組みがない中でどれだけ情緒的にものを伝えても逆効果になる可能性もありますもんね。

(田部井様)そうなんです。情緒面の声掛けも大事ではあるんですが、きちんと会社の仕組みとして評価ができていて、その上で「頑張ったね」と言ってあげられるというのは職員にとっては大きいと思います。

福祉業界にフィットした人事評価制度のあり方を模索し続けた

(金森)これまで人事評価制度について考えていく中ではどのような点に難しさを感じていらっしゃいましたか?

(田部井様)成果主義にすべきか否かなどは迷いましたよね。一時期、成果主義100%!みたいな本と成果主義は成り立たないっていう本が両方あったりして、どっちなんだと!笑
でもそのうち成果主義はうまくいかないという本が増え始めて、成果主義の失敗とかそういう事例がたくさん出てきましたよね。実感値としても、やはりどうしても非営利に成果主義一辺倒は向いていないということもわかってきました。

(金森)ほぼ間違いなく合わないですよね。でもそれをしっかり研究なさろうとする姿勢があるから、相関的に「これは違うな」というのがわかるんでしょうね。

(田部井様)そうですね。なので、もう学ばざるを得なかった感じですよ。変に知識があればそれを信じてやりきってしまったかもしれないですけど。

社福業界、医療業界における実績とシンプルでわかりやすい仕組みに惹かれた

(金森)人事制度改革のパートナーとして、どうして弊社を選んでいただけたんですか?

(田部井様)まず、社福や医療業界の実績ですね。あとは御社の仕組み自体が他社と比べてやっぱりシンプルだという風に感じたんですよね。本を読んで論理的に説明されると「そうだよね」と思うものでも、それを現場に落とし込もうと思うと相当難しいわけですよ。だからこそシンプルさは必要だと思いました。
また、福祉業界と一般の事業会社では文化も違いますから、例えば事業会社だと「成績No1」などの競争もあると思いますが、それだと社福ではチームとしてうまく回らないんですよね。苦手なところを補い合って、利用者さんが望む豊かな時間を提供していくという職種ですから。そういう意味でも、一般的な内容ではなくこの業界に則したものが必要だと考えていました。

(金森)たしかにちょっと特殊な業界ですし、運用面を考えるとシンプルさやわかりやすさには拘っていきたいですよね。複雑なものだとすぐ形骸化してしまいますし。

(田部井様)そうですね、やはりエビデンスに基づいたわかりやすい評価ができるものでないと現場の方々も飲みこめないんですよね。例えばですが、評価によって給与やボーナスも大幅に変わるというならばそれも一つのモチベーションになると思うのですが、社福の場合そうした金銭的なインセンティブをそこまで与えることはできないので、それを前提とした仕組みはやはり向いていないと思います。

(金森)おっしゃるとおり、福祉業界の報酬面の特性からいってもそうですね。

評価者研修を通じてエビデンスの重要性をよくよく理解してくれるようになった

(金森)実際、弊社で評価者研修をやっていただいてどのような変化がありましたか?

(田部井様)やはりエビデンスのところですかね。「観察と記録を行い、事実をもとに評価をしないといけない」ということは今までも散々言ってきたことではあるのですが、今回の研修を通してよくよく理解してくれるようになったと思います。

(金森)それは大きいですね!

(田部井様)そうですね。ただやはり管理者によってはそんなに現場を見きれないという状態にある管理者もいるので、そういう場合にエビデンスを取り切れない部分というのは出てきていますね。部下の数によっても大きな差があるので、そういうところでばらつきが出てしまう可能性があるところだと思います。ここは今後、工夫していきたいなと考えているところです。

(金森)素晴らしいですね。なんだか課題を発見するたびに強くなっていくというか、共通の課題を抱いた仲間としての一体感が醸成されていくような気がしますね。

難しい環境の中でも次世代育成には力を入れていきたい。

(金森)最後に、今後の組織的なテーマとしてどのようなことがあげられますか?

(田部井様)次世代育成ですね。

(金森)どのあたりが一番難しいなと感じられますか?

(田部井様)今社福が置かれている状況だとか報酬が公定価格で国に決められているところとか、そうしたことを考えると、やはり十分に本部機能を強化できないんですよね。どうしても現場が優先になってしまうものですから。

(金森)たしかに制限が多い分、難しいところがありますよね。

(田部井様)はい。本来だったら、例えば主任になったら次を見据えてこういうことを…というようなビジョンのある教育をしていかないといけないんですけど、そういう時間をきちんと確保したり、資金投下するということがなかなか難しいんですよね。

(金森)構造上そうなってしまいますよね。ただ、だからこそ、チャンスというところもあるかもしれませんね。

(田部井様)はい。やらないとそれがボディブローのように効いてきますしね(笑)。そういう意味では、思うようにいかない中でも工夫して今後もしっかりと取り組んでいきたい分野の一つですね。

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