皆さんは、『コーチ・カーター』という映画をご存じでしょうか?
2005年公開ということで、かれこれ14年前の作品ということになりますが、
スポーツ映画の名作として良く名前があがる、名高い作品です。
実はこれ、実在の人物をモデルとしたノンフィクション映画なのですが、
舞台はアメリカ リッチモンド高校の弱小バスケットボール部。
スポーツを通して結果を出させると言うことのみならず、
子どもたちの未来を案じ、可能性をどこまでも信じ、
自身の信念を貫き通したカーターコーチと
反発や離反を繰り返しながらも絆を深めて結果を出した部員達の物語です。
この映画から学ぶべきことは多々あるのですが、
最も印象的だったのは、
結果に至る過程の中で、
唾を吐かれるようなことがあっても、
周囲に対して真意を伝えて、
理解してもらうことを諦めない
ということの重要性です。
最初、カーターは部員達と学業との両立や服装の規程について契約を交わすのですが、
それが守られていない現状に対し、体育館を封鎖するという行動に出ました。
その際、本来、「当然だ」と後押ししてくれるべき、
校長や保護者からも非難される事態になっているわけですから
カーターとしては、
「ふざけんなよ!あいつらには何をいっても伝わらない」と思って
諦めても仕方ないと状況かと思いますが、
カーターは決して諦めませんでした。
取材陣に対しても、
「この土地のアフリカ系アメリカ人の18歳から24歳の33%が逮捕されている」
という統計を告げ、このまま行くと刑務所に行く確率が高くなる、
それをなんとしても阻止したい
だから、学業もしっかりとやらせる、
持てる力をすべて出し切り大学に行かせたい、ということを統計データも用いて説明しました。
どんなに反発しても離反しても、
大人の本気の愛情に気がつかない若者はいません。
会議でもカーターの意見は通らず体育館の封鎖を解くわけですが
辞めるつもりで向かった体育館には、勉強に打ち込む部員達がいました。
その後成績はあがり、目標を達成、州大会への出場も決め、6人もの学生が大学進学を果たしました。
カーターの思いは届いたのです。
信念があれば、その過程でいくら誤解、勘違いを与えることがあってもやりきる、
伝わるまで諦めない姿勢を貫く
この強さが、人を勝たせる人間の本質なのだと、学ばせていただいた映画です。
機会があれば、この映画も是非ご覧になってみてください!
人事コンサルタント
金森秀晃