「成功の鍵は責任である。自らに責任をもたせることである。あらゆることがそこから始まる。大事なものは、地位ではなく責任である」
ピーター・ドラッカーの言葉です。
管理職クラスの方々のお話を伺っていると
「自ら考えて仕事をしない”作業者”みたいな人が最近増えてきたような気がするね」
「目の前の作業をソツなくやってくれているけど、何年経ってもそれだけなんだよね・・・」
といったお悩みを伺うことがあります。
これは生じる問題を発見して解決行動も取るのが仕事だという
スタンダードが染み付いているからこそなのかもしれませんね。
よくある事例をあげてみましょう。
Aさんという方が営業事務として入社しました。
入社時にAさんの上司は、Aさんの仕事として下記を示しました。
・毎月末、営業各支店のデータ提出を依頼
・ 各支店から集まってくる売上、商品明細、価格などの情報を営業管理システムに入力
・店舗別の売上ランキング、月次売上推移グラフ、商品別売上グラフを作成
・毎日送られてくる注文書の内容確認。データを営業管理システムに入力
・納品書を確認の上で請求書を発行
Aさんは言われたことをそつなくこなすものの
・元々のフォーマット通り作成するだけで、自分から直そうとはしない。
・間違いが起きた場合原因と対策を考えて欲しいのだが、同じことを繰り返している。
というような状態でした。
客観的にこれを読んでいるとAさんは仕事の深堀りが足りない、自ら問題解決する意識が低いなと感じるかと思います。
では、これはどうすればいいのかというと・・・
仕事のゴールと責任を本人に共有することです。
この時に「そちらの方がお得」という事実の合意を形成できるのかが勝負です!
Aさんの仕事をこの視点で捉え直してみると
・迅速さ:決められた期限までに営業データを取り揃え、迅速な経営判断を支えること
・わかりやすさ:営業の進捗状況がわかりやすく理解できる資料を作成し、関係者が適切に判断できる材料を提供すること
・継続的な刷新:営業データ集計業務の効率化/省力化を常に進め、会社全体のコストを削減する
という感じでしょうか。
これらを本人に認識させることで行動変容を促します。
もちろん、もともとの習慣(タスクをこなすだけ)になることを織り込み済みにして継続して伝え続けましょう。
とは言っても”優秀な人だったらいちいちゴールと責任を伝えなくても
上司の期待に沿った仕事をしてくれるのに・・・”と思うこともあるかもしれません。
確かにその通りですし、役割を鑑みてもその思いは強く持っていて然りだと思います。
しかし!長期的に考えると属人的な能力に依存するしかなくなるという事態に・・・(´д`)
もしその人が退職したら、急に負担が激増するなんてことも想像に難くないかもしれません。
個人能力の高い低いに関係なく、自分の仕事のゴールと責任を認識させ続けることで
本人が自ら”あ、いまこなしてるだけになってるな”であったり
”もしかしたらこういう問題が出てくるかも、相談しておこう”という
行動を取ることができるようになると思います。
参考になりましたら幸いです!
人事コンサルタント
金森 秀晃