先日、スタッフと子供時代の話をしているときに
面白いエピソードがあったので、今日はそれをご紹介してみようと思います。
皆さんは子どもの頃、自転車の特訓をしたことがありますか?
初めから上手に乗れる子もほとんどいないと思うので、
少なからずそうした経験がお有りになると思うのですが、
そのスタッフもご多分に漏れず、自転車にかっこよく乗りたくて、
毎日のように自転車の練習をしていたそうです。
ただ補助輪が取れてなんとなくバランスが取れる気がしていても
いまいち自信がなくて、こいではすぐに足をついてしまうような状態…
そんな時に、練習に付き合ってくれたお祖母様から
こんな言葉をかけられたそうです。
「後ろでずっと荷台支えてるから思い切ってこいでごらん」
おばあちゃんを信じて自転車のペダルを勢いよくこいでみたところ、
見事、補助輪なしで初めて自転車に乗ることに成功!!
嬉しくて後ろを振り返り「おばあちゃん、できた!!」といったその瞬間…!
自分の自転車を支えている人は誰もおらず(笑)、
おばあちゃんははるか後ろで手を振っていて
普通に自力だけで自転車に乗れている事実に気づいたそうです。
その事実に驚いて転倒したという落ち付きですが(笑)、
これはいかに私達人間が
「本当はできるのに、できないと思い込んでいることが多いか」
ということを表しているエピソードのように思います。
お祖母様は後ろに支えがあるという「勘違い」をさせて、
孫のメンタルブロックを外す魔法をかけたのです。
(もちろん様子をみていてもう一人でも十分に乗れると確信があってのことでしょう)
結果、自分一人でもう自転車に乗れるのだということに気づかせ、
できないと思いこんでいることでも、
やればできるという成功体験まで与えました。
これは子育てのみならず、部下育成などでも言えることかと思います。
もちろんできるようになるまで待ってあげることも必要ですが、
もう十分にできる力が備わっていると思えば、
時には上司として部下に「勘違い」をさせてでも挑ませる、
そして少しずつ「やればできる」という成功体験を与えていくことが
部下の才能を開花させる秘訣なのでしょう。
言うは易く行うは難しで、
なかなか難しいことではありますが、
そういう愛ある指導ができる上司でありたいですね。
肝の据わったお祖母様のお話を聞き、
「やっぱ女性は強いな…!」と感心しきりの金森でした(笑)
人事コンサルタント
金森秀晃