「これで合っていますか?」
このように部下から質問されたことはありませんか?
上司からすれば、”やってみないと分からないのに、合ってる間違ってるってなんだろう?”と疑問に思うかもしれません。
私たちは学校では、常に「合っているか」や「正解か」で評価されていましたので、 このように考えるのは、ある意味自然なことです。
ビジネスシーンでは、どんな立場の人でも常に判断が求められます。
これは、企業のトップなど限られた人だけでなく、上司や先輩の指示通り動くことが求められる新入社員でも同様です。
「どの仕事から取り組もうか」
「お客様からの問い合わせに自分が答えていいか」
など、判断を迫られることは必ずあります。
言い換えれば、いろいろな場面で答えを出して行動するのが仕事を進めるということになります。
しかし仕事においては合っているか間違っているかで評価されることは、実はあまり多くありません。
むしろ、仕事のレベルが上がるほど、「合っているか」で評価できない場面が訪れるものです。
例えばお客様に自社の商品を提案するとします。
自分の提案が首尾よく通ったとき、それは「正解」を出したのでしょうか?
逆に残念ながら提案が通らなかった場合、その提案は「間違い」だったのでしょうか?
いずれもそうではないように思います。
実際、提案が通らなかった理由を探ってみると、
「競合の提案のほうが魅力的だった」
「提案内容自体は悪くないけど、すでに別の商品での検討が進んでしまっていた」
など、必ずしも間違っていないけれど、通らないというケースがほとんどかもしれません。
仕事における正解とは、その場の対応が上手く行ったかどうかではなく、
一見すると変化していなかったとしても、得たい結果に向かってステップを踏めていることだと思います。
変化してない、ダメだったということからも、次に活かせるエッセンスを抜き出して活用すると精度を高めることができます。
上司の役割として、タスクをこなせたか否かの評価だけではなく、
結果につながる言動を部下が取れているかどうか?の評価を心がけると、違う案件でも着眼点を汎用できるように思います。
人事コンサルタント
金森 秀晃