普段私たちは医療従事者の方々に、
接遇マナー研修やコミュニケーション研修をやらせていただくわけですが、
そんなこともあってか、
生徒さんや関係者の方らか医療現場で体験したことについてよくお話を伺います。
今日はその中の一例をご紹介したいと思います。
突然ですが、皆さん、救急車、乗ったことありますか!?
実は、その生徒さんの友人の方は、
職場でめまいを起こして動けなくなってしまったということで、
救急車で、搬送されたということなんですが、
(結果大事には至らなかったということでご安心ください!)
意識がぼやーっとする中、病院に着いたとき、
「看護師の●●です(目の前にネームタグが飛び込んできた)。
病院ですよ、安心してくださいね。」
という言葉をかけてもらったことを、一番強烈に覚えていたそうなのです。
それからはとてもテキパキと検査やら処置が進められて、
その都度
「今から左腕で採血してそのまま点滴入れていきますよ。」
「寒くないですか?タオルかけましょうか?」(実際相当寒かったらしいです。笑)
と声をかけながら進めてくれたので、
ぼやーっとしている中でも、とてつもない安心感があったそうです。
(声かけはもちろん、非常にテキパキした処置が見事でそうしたところも安心できたということでした)
また、帰宅可能かどうかを確認するときも
ちゃんと帰らなきゃと焦っていこうとしたところ、
「慌てなくていいですよ、まずしっかり捕まってゆっくり歩いてみましょう」
「支えているので、大丈夫ですよ」
「ちょっと座って休んでからにしましょう」
と逐一声をかけながら対応してくださったそうです。
非常に安心感がありますね。
ただ、それと同時に気になることがちらほら!!
点滴などをして、だんだん意識が清明になってくると、
①白衣でない人の出入り
(おそらく)「事務の方」
や
「交代でこれからシフトに入る方」
など、白衣を着ていらっしゃらない方が入れ替わり立ち替わり
処置している部屋に入ってこられると
「あれ誰なんだろう?」と非常に不安が募るということ。
②無言の検査・処置
また、レントゲンを撮りに来てくれた技師さんと思しき方が、
無言で背中に板を入れてきてびっくりしたなどなど・・・
(最終的にはその介助に入ってくれた看護師さんがしっかり声をかけて
誘導してくれたので大丈夫だったそうなのですが笑)
③不安を煽る相談。笑
「先生、~~の在庫がないそうです!」という焦りの相談。
←薬の種類のようで、きっとたいしたことないものなのでしょうが
「えぇ!なんかそれ、大丈夫なんですか?笑」と一瞬思ったそうです。笑
細かいところではありますが、気分が悪くなったり、
怪我をしたりして動転している方にとって、
「コミュニケーション」やちょっとした「気遣い」がいかに重要か、
また、医療現場におけるコミュニケーションが
他の「おもてなし」の接遇とはまた少し異なるということも改めて感じられるお話でした。
(そうした意味では私たちが医療・介護業界に特化している真価が問われるし
役割があるなと改めて感じる次第です!)
このエピソードからわかる、
医療現場において安心感を与える接遇コミュニケーションというのは
・的確な状況説明(何のために、誰が、何をするかの説明)
・不安を与えそうな内容は患者に聞こえないように話す
・テキパキとした処置
←これも医療従事者の方々にとって非常に重要な「接遇」の一つなのですね!
ということなのかもしれませんね!
至極当たり前のことのようですが、非常に勉強になります。
患者やその家族の方からの意見や感想というのは
研修の設計にも大いに役立てられています!
いつもそうしたお声を聞かせていただきありがたい限りですね。
今回伺ったお話も是非役立てていきたいと思います!
人事コンサルタント
金森 秀晃
細かなことですが、「距離感」という部分も接遇では大きく作用するかもしれません♪