「医師の人事評価制度も今後やったほうがいいとは思っているのだけど、
医師の退職などもあってバタバタしているし、今じゃないのかなとも思う。
もう少し落ち着いてからやったほうがいいのでしょうか?」
医師の人事評価制度導入を検討されている病院は非常に多いのですが、
こういったご相談が多いのも事実です。
心配なさっていることもわからないことはないのですが
こういったご相談に対して、一つ言えることがあるしたら…
「そう考えている今が一番ベストなタイミングである」
ということです。
理由は3つです。
1)「落ち着くタイミング」は訪れない可能性が高いから
プロジェクトマネジメントを担う方のタイミングであれば、
いつ頃にその方の手が空くかなどもわかるので
そのくらいのタイミングでというのはわかるのですが、
医師の忙しさを考えたうえで延期ということならば考え直したほうがよさそうです。
これから人手不足は加速していきますし、先生方に求めなければならないことも社会情勢が変わるたびに増えていくのです。
物価上昇や賃金制度なども含め今後はより変化が大きくなっていくことが想定されるので
そういう意味では今が一番「落ち着いている」と考えて動いたほうがよいでしょう。
2)評価制度を歓迎する状態を作ればよいから
評価制度導入は医師の多くが反対し、忌み嫌うものとして考えていらっしゃる方も多いのですが、必ずしもそういうわけではありません。
作り方、デザイン次第で多くの先生にとって歓迎すべきものになるのです。
もちろんあまりにも働かない先生にとっては
都合の悪い仕組みである可能性ももちろんあるのですが、
目標や求めるものシビアさは調整すればよいわけですし、
この機会を使って先生方とコミュニケーションを取り、
病院と先生個人との利害関係の合意形成をとっていけば
どのような先生にとっても歓迎されるものになっていきます。
3)病院経営を好転させる大きな転機にできるから
このブログを読んでくださっている医療関係者の方であれば、
いわずもがなというところではあるのですが、
病院の収支は医師のパフォーマンスによるところが非常に大きいですよね。
病院経営が医師だけで成り立っているということではないのですが
他の職種の方々がどんなに頑張ろうとも医師が患者を診なければ点数がつかないわけですから、
医師の意識一つで経営が大きく変わることは誰も否定できないでしょう。
そういう意味では、ここにコスト(お金だけではなく労力なども含む)をかけることが
経営改善に大きな影響を与えるのは一目瞭然。
むしろここにメスを入れずして、経営改善を行うのは非常に難しいといっても過言ではありません。
もしも迷っている方がいらっしゃれば、今すぐもしくは明確に時期を決めて、
実効性のある医師人事評価制度の導入準備を進めるとよいと思います。
その際は、必ずしも弊社でなくても構わないのですが、
医師の評価制度構築に関しては手順を間違えると炎上したり逆効果になることもありますから、
病院の事情をよくわかっている専門家に相談しながら進めるのがおすすめです。
「そうはいっても色々と難しい事情があって…」という方もいらっしゃると思いますので、
その際はぜひお気軽にご相談くださいね。
人事コンサルタント
金森秀晃