一昔前までは
「先生を”評価”するなんて…!そんなこと言い出せない」
「医師の評価制度なんて入れたら、先生が辞めてしまう」
と言われていた時代もありましたが、
最近では医師も評価していくことが一般的になってきましたね。
そんな中、医師の評価制度を構築したり運用したりする過程で
医師の採用力を高めている病院も出てきたので、
事例をご紹介してみたいと思います。
まずその”秘訣”を一言でいうなれば、「情報共有の仕組み」づくり。
期初面談や中間面談の中で
「先生の目標を達成するためにサポートできることはありますか?」
「知り合いの先生を招聘するとしたら、何があると誘いやすいですか?」
とお話を聴いていくと、実に色々な意見が出てきます。
それをヒントに、求人の魅力を作っていくと、
応募が徐々に増えていくようになっていくのだそうです。
・医師事務作業補助者がちょっと足りない気がしています
⇒ 多忙な医師に関しては医師事務作業補助者をマンツーマン配置
・仕方ないのでいいんですけど、もし他の先生を誘うとなったら
住んでいるエリア的に今オンコールできない先生が多すぎて、
オンコール回数が多いのがちょっとなぁ(おすすめできない)とは思いますね…
⇒ 医師向けの借り上げ社宅制度
・訪問診療の時にドライバーがいてくれると助かります
⇒ドライバー設置
その他にも、副次的な効果ではありますが、
「そういえば、僕の負担というわけじゃないんだけど、今薬局人足りないでしょ?
薬のオーダーの時間を守らない医者が多すぎると思うので、守ってもらうだけで負担減ると思うんだよね。」
という声をきっかけに、他の先生方にも時間を守ってもらえるようにお願いしていったところ、
薬剤師の残業時間が激減して、経営陣への求心力も高まったということもありました。
①現場の声を聞く、②トップの意向を伝える、③出てきた意見を解決する
この3つの情報共有の場を設けるだけで、
驚くほど事態が好転することがあります。
非常に単純で基本的なことではあるのですが、
それらを徹底しようと思うと案外難しかったりするもの。
だからこそ、評価制度などの「仕組み」を利用して、
緊急性はなくても「確実にやるもの」として組織にインストールしていくことが重要だと思います。
医師の採用などで悩んでいる方がいらっしゃれば、
ぜひ参考になさってみてくださいね!
人事コンサルタント
金森秀晃