・評価のバラツキをなくしたい
・評価のバイアスを学んで、バイアスをなくさせたい
・好き、嫌いで評価をしないようにしてほしい
などなど、年度末が近づくたびに、
こういった評価者研修のご依頼を多々いただきます。
問題意識としては大変すばらしいことだと思うのですが、
一つ残念なお知らせを申し上げると…
期末に単純に評価のバイアス、評価傾向を学んでも
あまり効果がありません…(/・ω・)/
(なんてこった…(/・ω・)/)
それはなぜか?
答えは単純。
人間そんなにすぐには適応できないからです。
例えば、
「期末誤差(評価期間終盤の出来事に全体の評価が影響される)」
という代表的な評価エラーを知ったところで、
期初に何があったかを問われても、最初から記録でもしない限り、
急に思い出すことは難しいでしょう。
また、「対比誤差(評価者自身の能力を基準にし、
被評価者の能力を比較して評価する)」にしても、
そもそもどういう基準で評価するかが構造上決まっていれば
(いわゆる等級制度や職務要件というものですね)、
こんな評価エラーを気にする必要もあまりないというのはありますし、
いきなり期末にそれを学んだところで1年間ずっとそういう視点で
部下をみてきたわけですから、
突然観点を変えることは難しいと思います。
そういう意味では、評価者研修というものは、
期末ではなく、できれば期初面談めがけてやるべきだといえるでしょう。
どういう観点でどのように部下を見ていくべきかを
期初に伝えて差し上げる方が圧倒的に効果的と言えます。
ちなみに…
評価の納得度や精度を高めるための最善の手段は、
評価バイアスを知ること、というわけでもありません。
(それも一つの手段といえなくもないですし、
よくやってほしいと求められることではあるのですが…)
じゃあ、どうすればいいのかというと…
下記の3つを押さえれば、
評価の納得感や精度は格段に高まっていきます。
①各ステージに求めるものの明確化
いわゆる等級制度の整備。構造面の問題ですね。
②期初面談における目的・目標の合意形成
どこまでいったら最高評価になるのかの共有。
どの山を登ろうかというコンセンサスのことですね。
③接触回数と行動記録
納得感には、見てくれているという安心感、
こまめな記録による「エビデンス」の提示が重要です。
「5月頃~ができていたのがすごくよかったよ」
「4月は~だったのに、10月頃には~が一人で
できるようになっていたよね」
「9月頃こんなこと言ってたよね、
役割がよくわかってるなと思ったよ」
などと言われたら、納得せざるを得ないでしょう。
期末めがけて、評価者研修!という風習から脱却し、
期初めがけて、評価者研修と評価制度のメンテナンス!
という新しい風を是非今後、日本社会に取り入れていきたいですね♪
YoutubeのZACチャンネルでも、こうした人事制度に関する
情報発信を行っています。
よかったら是非のぞいてみてくださいね♪
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人事コンサルタント
金森秀晃