・(医師の)働き方改革
・労務管理や残業削減
・同一労働同一賃金
・ハラスメント問題
・モンスター社員の対応
・人材の確保、育成
・人事評価の問題
・助成金の申請・受給手続き
などなど、人事を取り巻く環境は急速に複雑化しています。
ですが現状はといえば、多くの医療・介護機関において、人事のプロが育つ土壌はないというのが実情ではないでしょうか。
というのも、 一般の事業会社同様、 大学病院や公立病院、赤十字系病院などの公的病院では、無資格でいける仕事については、「事務方」と一括にされていて、ジョブローテーション制度で様々な部署を渡り歩くのが一般的です。
医事課、調達課、総務課、人事課、経理課…様々な課を2~4年スパンで渡り歩き、
社員の能力開発や多面的な視点で仕事が見られるようにするなどのメリットがあると言われています。
確かに事務長など管理部門を統括するような立場になったとき、
マネジメントにおいて功を奏するようなこともあるでしょう。
この制度にもメリットがあるのも確かですが、これからの時代、こと人事の責任者においてはどうしても限界があります。
人事・総務というのはあまり専門的な知識がなくてもできる仕事だと思われがちなのですが、
(実際一昔前まではそれでも成り立ってしまうところはあったと思います)
実際のところは、冒頭に出てきた様々な課題の通り、守備範囲が広い上に組織にとってクリティカルな問題を取り扱うことも多く、
本当に様々な知識やノウハウ、スキルが求められてしまう職種になっているのです。
また、人材の質・量の確保が難しくなっていることや、時代の変化に即応できる組織が求められていることなども、
人事関連の課題が山積みになり、重要度がうなぎのぼりになってしまう要因となっています。
法的な部分をしっかりと抑えて労務管理、雇用契約管理等を行いつつ、
時代の流れと病院の方向性・経営目標に沿って必要な人材を獲得・育成し、
社員のメンタルヘルスケア、あるいはハラスメント問題やモンスター社員の対応を行う。
更には、トップダウンではなく、スタッフが主体的に考え確認を取りながら動くようなガバナンス、
病院機能分化に向けた組織構造、人事制度を整えていく…
これはさすがに、ジョブローテーションで人事を少しかじっただけという状態で請け負うには荷が重いと言わざるを得ません。
(人事を専門として20年やっている私でさえ、日々知識のアップデートに四苦八苦するくらいですから。笑)
それに、こうした人事面の改革というのは、あまりドラスティックにやりすぎると
職員の方の反発を招くところでもありますから、腰を据えて長期間の戦略を立ててやっていく必要があるものでもあります。
そのようなときに、2年で責任者の方がジョブローテーションとなってしまいますと、
自分の代ではやりきれないし次の方に持ち越すわけにもいかないからやめておこうと後回しになってしまうことも想像にかたくありません。
そういう意味では、若いうちはジョブローテーションで多角的な視点をというもの良いのですが、
責任者クラスに関しては腰を据えてしっかりと人事のプロフェッショナルを育成していく体制を整えること、
また突然プロになれというのも難しいですから必要なところでは人事のプロを外部から活用すること、
この2点が非常に重要になってくると言えると思います。
病院や介護施設というのはハード面ももちろんですが、基本的には人対人のサービスであり、サービスの鍵を「人財」が握っている業種の一つです。
これを機に、組織における人事のあり方やプロフェッショナルの育成・活用という面について一度考えてみる価値はあると思います。
どこから手をつけようかとお悩みの方は、 組織内のプロ育成、弁護士などの専門家も含めたプロ活用などは
組織の規模や組織を取り巻く環境にもよるかと思いますので、是非一度弊社のコンサルタントまでご相談ください。
こちらから簡単にご相談いただけます。
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金森秀晃