先日、業界では有名な売れっ子の美容師さんから
お話を伺う機会がありました。
指名が絶えないことで有名な方だそうなのですが…
普段、どのようなことを考えてカットをしているのか、
お尋ねしてみました。
一言で言えば、
「未来予想図から逆算して髪を切る」
ということなのだそうです。
具体的には、
・美容室にいく頻度
・普段のスタイリングの様子
・頭や顔の形、髪質、癖のある場所から未来の髪型を想像する
を最初に確認し、
例えば、頻度が月１くらいの方であれば、
3週間後にどうなっているかを想像し、
どのくらい量を減らしておけばよいか、
長さはどのくらいに調整したほうがよいか、
などを考えて提案していくということのようです。
頻度やその理由にも着目するそうなのですが、
全く同じ髪質、全く同じ髪型、全く同じ頭の形であっても、
2ヶ月に1回くらいくれば大丈夫なようにしたいという方
（できるだけ長持ちさせたいというニーズの方ですね）と、
1ヶ月に1回来て整えたいという方
（最高のコンディションを保ちたいというニーズの方）とでは、
満足感を感じるポイントが異なるからということなのだそうです。
そういうところを抑えて、美容師の好みではなく、
お客様のツボを捉えることができるかどうかがリピートの鍵を握ると…！
確かに、今この瞬間きれいになりたい方と、
なるべく美容室に来なくてもいい状態を保てるようにしたい方とでは
ニーズは全く異なりますよね。
ツボを抑えられるかどうかはやはり経験値や技術力もありますが、
重要なのは毎回、自身でそれを検証する努力をすることだともおっしゃっていました。
だからこそ、初回のお客様には、
伸びるスピード、髪の増え方、癖の出方などは、
定期で３回くらい切らせていただければわかるから、
今回はこのくらい切って様子をみてみるのはいかがでしょう？
というように、意図を説明して改めて来ていただくのだそうです。
約束通り、次回いらしてくださったお客様には、
「何週間くらいで切りたいなぁって感じしましたか？」
「最初にまとまり悪いなぁって感じたのはどのくらいのタイミングでしたか？」
と聞いてみたりして、
「では、もう少し今日は切ってみましょうか？」
「ここのボリュームは減らさないようにしてみましょう」
などと調整をしていくことで、だんだん感覚が掴めてきたり、
何より、お客様との信頼関係も深まるのだそうです。
予約が取りにくいことも自覚していらっしゃるので、
「やむを得ず他のところで切るときは、
ここをしっかり切って、と伝えてあげるといいですよ」
などのアドバイスもされるのだそうです。
このお話を伺って、これは美容師の方のみならず、
様々な仕事で共通して言えることだなぁと感じました。
業種を越えて、やはり一流の仕事というものには、
本質が隠されているのですね！
人事コンサルタント
金森秀晃
