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金森秀晃のしくじり道場~人生観を変えた、天くんとの出会い~

金森秀晃のしくじり道場~人生観を変えた、天くんとの出会い~

僕が悪ガキ時代、とある事故に巻き込まれて意識不明の重体に陥り
入院を余儀なくされていた頃…

この病院の中で、僕の人生観を変える一人の少年との出会いがありました。

名前は天くん。
10歳くらいの男の子で、幼少期から入退院を繰り返している
小児病棟に入院しているお子さんでした。

人当たりがよく、大人にあわせることも上手な
非常にクレバーなお子さんだったように思います。
そんな彼に当時の僕はだいぶ口も悪かったものですから
こんな言葉を投げかけたことを覚えています。

「お前、ヘラヘラしてんじゃねぇよ、何つくろってんだよ」

ちょっと言い過ぎたかなとも思ったのですが、
天くんはそれから徐々に僕に色々なことを話してくれるようになりました。

「お兄ちゃんはずっと意識不明で動かなかったのに、
起きたと思ったらずっと吐いていて、
吐きながらずっと何かを書いていて、
歩けるようになったと思ったら屋上で身体を鍛えていて、
変わっていくお兄ちゃんがすごいなと思った」

彼は目を輝かせて、そんなことを話してくれました。
誰にでも気を遣う天くんだからこそ、胸のうちをあかせる相手、
何でも気軽に話せる相手もそう多くなかったのでしょう。
(それが大切な人であればあるほど言いにくいことだと思います)

天くんの影響で、いつしか僕が歩くと、
たくさんの小児病棟の子どもたちがついてまわるようになっていました。
アヒルの行列のようなイメージです。笑

僕が退院してまもなく、天くんは、お母さんに連れられて僕に会いに来てくれました。
天くんは、お母さんが外で待つ中、僕にこんなことを言ってくれました。
「お母さんには言えないけど、僕は病気でなかったらもっとお友達と遊びたかったし、学校にもたくさん行きたかった。
でもね、病気だったからこそお母さんとずっと一緒にいられた。
だから僕は幸せだった。」と。

天くんはその後まもなく息を引き取ったと、お母さんから連絡がありました。

僕は、お母さんに天くんが言っていたことを伝えました。
きっと彼は、自分の死期をなんとなく悟って
自分が幸せだったということをママに伝えたくて
僕を訪ねてきたのだと感じました。

人生には限りがあります。
思い通りにいかない理不尽なことばかりです。
それでもなお、感謝できるところを見出すことができる、
最期の最期まで自分ではなく最愛のお母さんのことを気遣う
(怖いだろうに、辛いだろうに、それでも自分以外の人の心を気遣えるのです)
そんな天くんと出会えたことを僕は誇りに思うし、
天くんのような生き方をしていかねばならないと思わせて頂いています。

部下の退職,解決,慰撫

僕は事業を通じて、あらゆる「人の困難を希望に変える」プロフェッショナル集団を作りたいと思っています。
天くんとの出会いは間違いなく、とにかく自分のことしか頭になかった僕の人生観を大きく揺るがしました。
私は「有事の際に、人に手を差し伸べられる自分であるか?」を毎日自分に問いかけています。
それは、天くんの生き様を継ぎたいと思ったからです。
その生き様を継承し、組織に伝播していくことができればきっと、
息をするように人の困難を希望に変えていくようなプロフェッショナル集団を
作ることができると信じています。

「天くんにはまだ遠く及ばないけれど、今も僕は頑張り続けているよ!
天くん、ありがとう!」

人事コンサルタント
金森秀晃

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