「若い先生には残業させられないから、早く帰してます」
「休みとれないなんてことになったら派遣止まっちゃうんで
彼らに休みとらせて僕らはずっと出勤状態です」
「あとで残業代請求されたら院長に怒られるので、
とにかく素早く帰宅させてます」
これは医師不足のエリアの医療機関で
年配~中堅の先生方から聞かれる悲鳴の数々です。
これはもう構造面で破綻していると言わざるを得ませんので
そのあたりの変革が急務なのは言わずもがな、なのですが…
これについて語りだすと長くなってしまいますので、
今日はこの状況から浮かび上がってくるもう一つの課題について共有してみたいと思います。
それは…
かつてのように「経験年数で給与を決める」危うさ
です。
パワハラがよいという意味ではなく
ある程度の強制力をもって育ってきた世代であれば
経験年数で評価してもある程度は大丈夫だったかもしれませんが、
今後は主体的に力をつけた先生とそうでない先生とで差がすごすぎて
経験年数ではかることなどできないという見解が主流になっていくでしょう。
(今も現場のみなさんからしたら実際はそうだと思いますけどね…)
例えばですが、
家に帰って毎日欠かさず手技の練習をこなす医師と
頑なに勤務時間の中でしかやらないのでなかなか成長しない医師で
5年後、10年後にどのような差があるかは明白です。
そのためにもぜひ、
それぞれがどういう役割を果たせる先生なのか、
どういう技術をお持ちの先生なのか、
それらを測れる指標をもって経営をなさる準備を
進められることをおすすめします。
時代遅れの評価をしていると
よい先生がどんどん流出してしまいますからね…
もちろん技術の評価は科が違うと難しいところはあると思いますが
役割や成果に関しては先生方との合意形成のもとで
客観的な評価を行っていけるでしょう。
ある50代の先生はこんなことをおっしゃっていました。
「身を滅ぼすまで働けとはもちろん言わないし、
家庭もプライベートも大事にする時間があってもいいと思う。
ただ、本音で言えば業務時間後に自己研鑽もしたくないなら、
命扱う資格も、高い給料もらう資格ないから
なんか別の仕事でもやってろよって思います。」
おそらくこれが多くの先生方の心の声なのではないでしょうか。
(もちろんこれは残業代を請求せず無限に働けとかそういう話ではありませんよ)
価値観は色々でよいと思いますが、
とにもかくにも、プロ意識の高い先生方ばかりが割りを食うような状態は
一刻も早くなくしていきたいところですね。
でも実際どうしていいかわからないという医療機関も多いのではないかと思いますので、
ぜひ一度お気軽にご相談ください。
人事コンサルタント
金森 秀晃