「上司からよく自分で考えてからもってこいと言われるのですが、
正直なところ、よく意味がわかりません。
しかも自分で考えてもっていっても、ダメ出しばかりされます。
答えがわかっているなら、最初から教えてくれればできるのに、
どうせ間違える自分が考える時間も無駄だと思います。コスパが悪いです。
しかも答えを教えずにこれではダメだと言われると
一体何なんだよと思ってしまいます。これは私が悪いのでしょうか。」
先日、とある病院の新人研修にて若者からこんな質問をいただきました。
結論から言えば、誰も”悪く”はありません。
ただ一つ言えるのは、あなたの上司はきっと良い上司であるということです。
なぜなら、答えを教えてやらせる方が簡単ですし、
なんならあなたにやらせてフィードバックするくらいなら、
自分で全部やったほうが早いからです。
もし社員を使い捨てにしてやろうという組織があるとしたら
真っ先に答えを教えて有能「感」を与え、
その子の中には1mmもノウハウが残らないようにして、
他では生きていけないように使い倒すでしょうね。
(これぞ真性のブラック企業)
ではなぜわざわざあなたに考えさせてからダメ出しをするのか
(どう考えても上司の側からしても面倒臭いこと極まれりです。笑)
一拍おいて考えてみてほしいのです。
それはひとえに
その案件を終わらせること、タスクを完了させることが目的なのではなく、
あなたの考える力を育てることが上位の目的にあるからです。
タスクを終わらせることより、
あなたが正解を導き出すプロセスを身に付けさせようという試みです。
もし上司が答えを与えて、あなたが処理だけして、
そのまま5年同じことをしてたら、
あなたの問題解決能力は当時のまま、年だけ取ることになります。
(おそろしや。笑)
数年後に同じ問題解決能力のまま
同じ問題に対峙しなければならない人生ってなんなのでしょうかと思ってしまいますよね。
しかも今はAI時代。
言われたことだけできるという知識集積型の人間の市場価値はどんどん下がってしまいます。
これからの時代は「間違いに気づいたもん勝ち」の時代です。
目的地を決めてまず走り出し、走りながら間違いに気づいていく。
こういうあり方が勝っていく時代になるでしょう。
そういう意味では、答え(手段)がわからないながらも、
目的地がわかって案内人(上司)がいる仕事というのは、
そういう生き方をしていくうえで格好の練習材料となります。
自分で考えてなんてコスパが悪い…と思うこともあると思いますが、
長い目でみれば相当コスパが良い練習なので、毛嫌いせず(笑)
自分のために上司を信じて取り組んでみていただけたらと思います。
上司の方々は、こういう疑問を若者がきちんとみなさんにぶつけられる土壌を
作ってあげるとよいかもしれませんね。
今の子たちは、きちんと話せばわかる頭の良い子たちが多いと感じておりますので、
こうしたある種の不満なども聞いてあげられる場を設けていくと、
皆さんの愛ある指導が生きてくると思います!
ぜひ参考になさってみてくださいね♪
人事コンサルタント
金森秀晃