突然ですが、みなさんは「信頼できる部下」とは
どのような方のことをいうと思いますか?
・上司の言うことをきちんと聞いてくれる人
・一言えば十わかってくれる人
・責任感がある人
・裏切らない人
・自己顕示欲のない人
様々な要素があると思います。
どういう方を「信頼できる」と感じるかは人それぞれだと思いますが、
個人的には、以前尊敬する方から教わったポイントが印象に残っています。
そのポイントとは…
上司のすべてを理解し得ないことを前提に
正しく理解しようと「し続ける」人
というものでした。
その方は、
作業が早かったり、理解が早かったりする人は、
「自分にとって都合の良い人」かもしれないけれど、
「信頼できる部下であるかどうか」はまた別ものなのだといいます。
作業も理解も早く、上司のことを理解し続けようとしてくれる
ハイブリッドな方もいらっしゃると思いますが、
前者だけで管理者を登用してしまうと、
組織を壊す原因にもなりかねないのだとおっしゃっていました。
私は昔これを聞いて「耳が痛いな」と思いました。
その方は、そこまで明確におっしゃっていませんでしたが、
おそらくそれは「自分にとって都合のよい人=よい部下」とすることは、
そのまま「自分にとって都合のよい人=よい上司」
にもなりかねないということを警告してくださったのだと思います。
こうなると、
自分にとって都合がよくない状態になったら、
よい上司ではなくなるということですから、
それで気持ちが離れるとしても何も不思議なことはない
ということなのかなと考えた次第です。
そういう意味ではすべて自分次第だなとつくづく思います。
それ以来私は、元々意図的にそうしていたわけではないのですが、
「自分にとって都合のよい人」を育てることをやめました。
正確にいうとそういう育て方になっていないかいつも振り返るようにしました。
スピードや精度よりも、お互いを理解し続けようとする姿勢そのものを重視することにしたのです。
また、仕事熱心でともすると「上司にとって都合のよい人材」になろうとしてしまう部下には
「僕の方を向いて仕事をしないでほしい」ということを伝えていくことにしました。
最初は「社長や会社のために頑張ろうとしているのになんでそんなこと言うんですか?」と
いぶかしがられたりしたのですが(笑)、
説明を尽くすことで理解してもらえるようになってきたと思います。
自分にとって信頼できる部下はどんな部下か?
この問いの本質を考えると、まわりまわって
「すべて自分次第だな」ということを改めて実感できますので、
定期的に振り返って考えていきたいですね。
部下をもったことのある方であれば、ぜひ一度
ゆっくりこの問いについて考えてみて下さい!
人事コンサルタント
金森秀晃