課長や係長クラスの方を対象とする研修で、受講者の方から話題に挙がることが多いトピックスのひとつにスタッフの報連相問題があります。
これはコミュニケーションの手法や業界に関係なく、もはや”鉄板”と言ってもいいかもしれません。
「私が部下だったら絶対に当日中に報告する内容なのに、なぜ後回しにするのか正直理解に苦しむんですよね。」
「自分のキリがいい所で報告するんじゃなくて、案件の状況を基準にすべきでは?」
「こちらが決裁する時に何を気にしてるか、少しずつでもいいから学習してほしいですよね・・・」
同じ案件を共有する同志として、スタッフにも当事者意識を持って欲しいという思いからくるものかもしれません。
今回はこれらを解消するポイントを共有したいと思います!
それは”本人たち(スタッフ)がまだ見ていない世界を上司から報連相する”ということです。
若手時代の時を振り返ってみると、目の前の自分の仕事で精一杯になっていた時代があったかと思います。
今なら視野が狭かったことに容易に気づけますが、当時は狭いこと自体に気づけない・・・!
なんてこともあったかもしれませんね笑
だからこそ、本人たちが見えてない世界を上司から報連相することで
・気づいてない、見えてないことがあること自体に気づき客観性が高まる
・他のメンバーや事業部の動向を知ろうとアンテナを巡らせるようになる
・自分の仕事が会社とどのようにつながっているかを認識し、有用感や意欲が高まる
というような行動変容をもたらすことができます。
例えば課長以上のクラスだけが参加する会議の資料を部署メンバーに見せながら、会社全体や事業部の経営動向やトピックスなどを共有するということも効果的かもしれませんね。
上記はあくまで一例ですが、大切なのは必要だから共有するのではなく、現時点で知らなくても業務に全く支障が出ない内容だからこそ共有するということだと思います。
このポイントを抑えておくと報連相への認識が
”上司から求められるからしなければならない”という義務から視点が上がり
”会社のココの動きにつながるものだからやりたい”ものへと変化し
結果的に報連相の頻度や質などといった、もともと課題に感じていたことも解消されるでしょう。
上司から部下への報連相は、見方を変えると「会社の社員に対する情報公開の姿勢」とも言えると思います。
組織の心理的安全性が高まり、交流や議論が活発になることで組織への愛着が深まる・・・
というサイクルが少しずつ作られていきそうですよね。
参考になりましたら幸いです!
人事コンサルタント
金森 秀晃