「意識が高くてよいのだけど、頭でっかちな新人に少し困っています」
4月も後半に差し掛かりますが、この頃になると
そんなお声を伺う機会が増えてきます。
一方でそのように思われている当の本人はどう捉えているかというと、
自分が頭でっかちだと思われていることには気づいていないことが多いようです。
本人としてもやる気があるのにそんな風に思われていたらちょっとショックですし、
何よりそんなつもりがないのにそうなってしまうのももったいないですよね。
なので今日は「頭でっかち」にならないためにどうすればよいか?
ということについて皆さんと共有したいと思います。
実はその答えは案外シンプルです。
新しく獲得した「情報(information)」を自分が動かない理由にするのではなく、
目的を果たすために加工して「知恵(intelligence)」にしてしまう、ということ。
もっというと、情報を獲得することを目的にするのではなく、
獲得した情報を目的を果たすための手段にするということです。
「頭でっかち」と言われてしまう方々は、
もちろん悪気はないのですが、その情報を獲得すること自体が目的になってしまい、
それらを「自分が動かない(変わらない)理由」にしてしまいます。
ポイントを挙げると下記のようなイメージですね。
・不確かな情報をもって自分が挑戦しない理由にする
・その情報を使って(自分は何一つ変わっていないのに)現状を批評しようとする
・知っただけて安心する(知らない人より優位に立ったと思う)
例えばですが、
どこかで「よい上司のあり方」という記事を見て
それだけですべてわかった気になって、
「うちの上司はそういう言葉をかけてくれないからブラックだと思う。
こういうやり方をしてないから無能だと思う。」
と言い切ってしまったりするのはその典型と言えるでしょう。
まだその上司のほんの一面しか見ていないかもしれないのに
ネットの記事で書いてある「やり方」や一部分の特性だけ切り取って、
今自分がもっている情報だけで相手を断罪し、
場合によってはうまくいかない原因をすべて相手に押し付けることになってしまいます。
一方で獲得した情報を「知恵」にできる人はどうか?
新しく情報を獲得したとき
・その情報を使って自ら新しい行動を起こしてみる
・自分の考え方や捉え方を見直してみる
・知るだけでなくできるようになるまでやってみる
こういう方は、結果として更なる情報が入ってきますから、
成果を出しやすいのはもちろんのこと、非常に成長が早いと思います。
また、こういう方は表層の言葉や雰囲気の読み取りだけではなく、
相手の真意、意図を読み取ろうとしますので
同じようにどこかで「よい上司のあり方」という記事を見て
仮に今の上司がそれとは違ったスタイルでマネジメントをしていても、
「やり方は違うけれどこういう意図があるのかもしれないな」
という読み取りができるかもしれません。
情報を情報のままにしてしまう人は
自分が(実践していないので)安全な場所にいて
今自分がもっている情報だけで(自分はやったこともないのに)、
その上司の上に立つようなポジションを取ってしまうことになりますから、
その上司とは良い関係を築きにくくなってしまうと思いますし、
実際その上司にどんな苦悩・葛藤があるかもわかろうとしていないことになるので
自分がその立場になったときに大変困ることになると思います。
新入社員に関わらず若手の方々は、
日々仕事をする中でも研修などの中でも
新しい情報を得ることがきっと多いでしょうし、
ひとたびネットを覗けば色々な情報に触れることになるでしょう。
そんなとき自分はその情報を
「目的」にしているか、「手段」にしているか?
是非、問いかけ続けてみてください(^^)/
将来的に得られるものが全く変わってきますよ!
人事コンサルタント
金森秀晃