「部下に判断力を高めて欲しいと思っているのですが、
結局、リスクが高いような気がして部下の判断に任せることができず
最終的に自分が判断をしてしまいがちです。
部下の判断力を高めるためにはどういったことに気を付けるといいですか?」
こちらは、管理者研修(特に部長クラス向け)で
管理者や次世代リーダーを育成していかねばならない立場の方々から
よくいただくご質問です。
部下の判断力を高めるという意識をもって
部下に考えさせる間合いを与えているだけでも
とても素晴らしいと思うのですが、
確かにその意見を毎回潰すような形になってしまうと、
あまり効果的ではなさそうですよね。
(前向きに捉えて自分と上司の差を埋めようとする強者もいるかもしれませんが
すぐに萎えてしまい自分の意見を持たなくなる人の方が多数派だと思います。)
そこで!今回は…
(可能な限り)部下の判断を尊重するための技術
について皆さんに共有していきたいと思います。
非常に参考になるのがAmazonの創始者、
ジェフ・ベゾス氏の意思決定に関する考え方です。
ベゾス氏は、下記2種類の意思決定があるとおっしゃっています。
①一度決めたら、後戻りできず影響が深刻な意思決定。
②後戻りできる意思決定。
①には十分な時間をかけて決断し
②はすぐに決めて間違っていたらすぐに修正するということですね。
意思決定をこの二つに分けて考えると、
部下に判断を任せてよいものと、よろしくないものを
明確にすることができます。
①の場合は熟考したうえで、
必要とあらば議論を交わし部下の考えを覆すことも必要だと思いますが
②に関してはよっぽど間違えていなければ、
部下の判断に対して「よし!それでやってみよう」
とすればよいということになりますよね!
(ダメならすぐに修正すればよいからです)
良い結果に繋がれば部下の自信にもなりますし、
たとえ思わしくない結果だったとしても、
うまくいかなかった要因分析を共にすることで、
部下の判断力はぐんぐん磨かれていくはずです。
逆に、②でその時の「精度」に拘りすぎると
上司の策が「最善」で自分はそれに叶わないからダメだ
となってしまい、部下の考える力が失われていってしまいます。
そういう意味では、いくらでも後戻りできる意思決定ならば
どんどん部下に任せて、うまくいくまで伴走するというプロセスをもつ
ことが重要ということになりますね。
とっても便利で効果的な考え方なので
部下の判断力、考える力を育てたいという方は
是非参考になさってみてください(*^^*)♪
人事コンサルタント
金森秀晃