リーダークラスの方々からよく伺うお悩みのひとつとして
若手社員が習得する上での時間を待ちきれず、正しいやり方や答えをすぐに求めるというのがあります。
仕事には”これが絶対に正解!”ということはないし、
繰り返すことで精度を高めていくものだということを
感覚で染み付いている方からすると、気持ちはわかるけど
「オイオイ・・・! (゜д゜) 」と感じることもあるかもしれませんね。
先日、2年目社員研修での振り返り中に、
ポイントを抑えることで成長幅が予想超えることを目の当たりにしました。
ワークが終わったあと、全体で共有をしたのですが、
ある2年目社員の方(Aさんとします)曰く、入社したての頃は
・とにかく間違えたくない!
・修正がかかると「それまで取り組んでいた時間が無駄だった」「自分はセンスがないな」と落ち込む
・自分の能力は経験も浅く稚拙だし、試行錯誤する時間がもったいないから答えを教えて欲しい
という感じだったのだそうです。
(今振り返ってみると、結構なあまちゃんですよね笑 と言っていました)
OJT担当の先輩社員がAさんにやらせたのは、
”動機や理由を述べさせる”ということでした。
以前OJT研修でお伝えしていたことの1つなのですが、
これをどんな些細な案件でもトコトンやったのだそうです。
最初Aさんは理由を聞かれると、聞かれて初めて「そう言われてみると、なんも考えてなかった・・・!」
と自分で自分にびっくりすることばかりだったそうです笑。
Aさんが自分で変化に気づき始めたのは、入社して半年くらい経った時のこと。
その変化とは”違いを探すようになった”ことだったそうです。
先輩に答えを求めるのではなくて、先輩との違いを探し、なぜ違うのかを考えるようになっていたのだそうです。
と同時に、あれほど抵抗感があった”できない”ことが、
”実はそうじゃないかも!”という気持ちになっていました。
Aさんに変化した理由を尋ねてみると、
「動機や理由を答えることで、先輩との理由の違いを知り、違いを埋めていくことで少しずつ仕事ができるようになっている事が体感できたからかもしれません。
それと、以前はできないとか間違いというのを自分の能力の有無をはかるものとして捉えていたんだと思います。
本当はできない、というのはできるようになるための”違い”を知ることだと考えてます。
先輩が動機や理由を問われ、絞り出してでも答え、違いを知ることで、自分で仮説を立てて試すクセをつけてくれたんだなと感謝してます!」
と話してくれました。
できない、間違いの意味をどう作るかで
こんなにも取り組み方が目覚しく変化するのだ!と心が躍りました。
と同時に数年前にさせていただいた研修内容が人に宿り、伝播していることに
改めて育成研修をする動機を見つめ直すきっかけをいただいたように思い、
気が引き締まりました!
人事コンサルタント
金森秀晃