先日、医師の評価制度構築をご支援させていただいている際、
研修医の方から、こんなお話を伺いました。
“患者さんが急変して、上級医を呼んだところ、
上級医の先生から、
「先生はこの症例はもう何度も経験しているよね。
今回は先生が責任を持ってこの治療をやってみなさい。
任せますよ。悩んでやりきる過程がきっと財産になるから。」
と言われ、頭の中にあるガイドラインを頼りに、
治療を遂行し、無事やりきることができた。”
というお話でした。
その研修医の先生も非常に優秀で一人で完遂されたことに
周りの方々も驚いていらっしゃいましたが、
それにも増して名をあげたのはその上級医の先生。
なんでも、そもそも研修医の方がやりきるには少々ハードルの高い症例
だったようでして、それを任せる勇気というところには、
やはり人の命がかかっているというところから、
一時は、院内でも賛否両論というかんじだったそうなのです。
しかし、裏話をきいて全員、納得。
その上級医の先生は、任せるとはいいつつも、
こっそり研修医の先生の判断が大丈夫そうか、
本当に困ったときはすぐに代われるように…と
ずーっと後ろで先生の動きをこっそり見守っていらしたのだとか。
私は、命のかかる現場において
「信じて見守る」
を実践されている先生の勇気に大変感銘を受けました。
こんなことされたら、部下は育たざるを得ませんね。笑
一般企業の場合は、仮に失敗しても命がなくなるようなことは
ほとんどないと思いますので、どんどん任せて、見守ることを
実践していきたいものですね。
人事コンサルタント
金森秀晃