「独創力とは思慮深い模倣以外の何ものでもない。」
フランスの思想家、ヴォルテールの言葉です。
独自の発想で、まだ世の中に存在していない新しいものをつくり出す能力、これを「独創力」といいます。
独創、という言葉だけを捉えるとゼロから生み出すようなイメージを抱着やすいのですが、
どんなに新しい発明や発見も、すでに世にある製品や、既存の理論、現象の影響を受けて生まれてくるというのは、研究者や芸術家の言葉から図ることができます。
模倣から独創を生んでいくことが大事なのは、研究や芸術といった世界だけではありません。
会社の仕事、たとえば、営業や総務といったことでも同じことが言えます。
基本的に会社の仕事は似たようなことの繰り返しになります。
ですので、レベルアップの基本は素直にやること。
従来のやり方や先輩方から学んだことを模倣すれば、ある程度の仕事レベルには至ることができます。
本当の仕事の面白さや自分のやりたい仕事が出来るようになるためには、
冒頭のヴォルテールの言葉にある、”思慮深い模倣”をすることです。
やり方に着目するのではなく、進めるにあたっての考え方や外してはならない着眼点がどこかを探しそれを模倣します。
例えば、助成金申請をするならば、申請の手順をそのままやるというのが基本だとしたら
思慮深い模倣の場合は、申請の規定に書かれている言葉の定義を明確にする、
助成という旨みだけではなく、助成後のコスト(例えば監査が入る可能性があるとか)を把握する、といった感じです。
模倣するうちに、その考え方ややり方を自分のものとし、さらにそこに自分なりの考えを付け加えていくことが
独創的と言えるのだと思います。
人事コンサルタント
金森 秀晃