イマドキの若者は、叱るよりも、褒めて伸ばせ!
とは最近、声高に叫ばれておりますが、
管理者研修の際に、こんな相談を受けたことがあります。
「先生、確かに、部下は褒めて伸ばせ、とよく言われますが、
正直、褒められる要素が一つとして見当たりません。
違和感を覚えつつ、一応褒めるには褒めてみましたが、
部下としてもなぜ褒められたのかよくわからず、
微妙な空気が流れて終わりました。
こういう場合でも、やはり褒めたほうがよいのでしょうか?
褒め方にコツがあったりするのでしょうか?」
確かに、褒めるところがないのに、苦し紛れに褒めても
相手も「??。なんだ?なんか気持ち悪いな」と思ってしまうかもしれませんね。笑
このようなときにはどうしたらよいのでしょうか?
その答えをいう前にまずひとつ、質問です。
「なぜ、褒められることが一つもないか?」
そこに、この問題の本質が隠れています。
実は、「褒められる要素が一つもない」ということが「本当の問題」なのです。
どういうことかというと、
褒められる要素が一つもないということは、
部下がクリアできる目標のレベルを提示できていない
ということになるからです。
例えばですが、部下に求める要素として、
「完璧な報告書を作成する」という目標を設定したとします。
しかし、出てくる報告書は毎回誤字脱字の嵐、
文脈がおかしい、主語述語がめちゃくちゃ、内容も表面的、
しまいには、期日も守れていない…
これでは褒める要素が一つもない!!となってしまっても当然です。
しかし、ここで一歩部下に歩み寄り、
「まずは、毎日期日を守って報告書を提出する」ということを目標にしたとします。
他が駄目でも、まずはそこが守れたとしたら、
「よし、今日は期日守れたね。どうやったらうまくいったの?」
と褒めた上に、そのプロセスを確認して再現性を高めることもできます。
それがクリアできたら、次は誤字脱字をなくそうなど、
一つひとつクリアできるように仕向けていくことができるかもしれません。
というように、褒める要素がないという際には、
大抵、求めるレベルが高すぎたりすることがほとんどなのです。
褒めるところが一つもない・・・
と思ったらまず、目標設定(期待値)の設定を見直し、
細分化するという試みを試してみてはいかがでしょうか(^o^)?
人事コンサルタント
金森秀晃