先日、定期的に幹部コーチングをさせていただいているうちの、
お一人の方から、私に一度話を聞いてほしい部下がいるという相談をいただきました。
もともとはその方のコーチングですので、お断りしていたのですが、
自分の時間の一部をその部下に使っても構わない、とおっしゃったので、
15分ほど話を伺う機会を設けました。
そのスタッフの困っていることとしては、
自分としては質問に答えているつもりなのに、
上司から「私の質問に答えてもらえる?」といわれることが多く、
だんだん自信がなくなって、発言するのを躊躇してしまう、というものでした。
例えば、こういうやりとりです。
上司が表情を曇らせた理由を考えながら読んでみてくださいね^^
上司:「Aさん、今日までにお願いしてる資料作成終わった?」
Aさん:「半分くらいはできてます。」
上司:(少し表情を曇らせて)「了解、終わってないのね。じゃあ16時までにいったん仕上げて私に見せてもらえる?」
Aさん:「承知しました」
いかがでしょうか?
上司が表情を曇らせた理由は、ズバリ
「質問に対しての答えになっていないから」です。
先ほどの例ですと、
上司は「資料作成は終わったか(Yes)・終わってないか(No)」を知りたいのに対して、
Aさんは半分できてると進捗を答えてしまっています。
こうなると、上司は
半分出来てる→つまり資料は終わってない と頭で変換させる必要が生じてしまいます。
毎回このような状態だと、欲しい情報が得られずお客様に不利益を生じさせる可能性もあるかもしれない。
そんなことまで考えて、「質問に答えて」と求めていたのです。
質問にピンボケした返答をする部下に対し、
上司の立場から修正するポイントとしては、
YesかNoでを求められている質問か、そうでないかを伝えるということです。
部下の心情としては、やはり上司からの要望には応えたいという気持ちが無意識に働きます。
まだ上司が何を欲しがってるのかまで考えが及ばないのかもしれません。
「え?そこまでやんないとなの?」というお声も聞こえてきそうですが・・・笑
少々面倒臭いかもしれませんが、
「YesかNo、どっちかを知りたいんだけど」
というように、上司の質問者側としてのニーズをしっかりと伝えてみてください。
質問に答えることも要望に応えることの第一歩だということが身に付けば、
少しずつ変化していくと思います。
参考になりましたら幸いです!
人事コンサルタント
金森 秀晃