世の中には様々な人がいます。
だからこそ人間関係の悩みや尽きないですし、
相談をいただくことも多いです。
部下の方々が、「人間関係が上手くいかない・・・」と感じている要因のひとつに
「相手と話が全く噛み合わない」や
「言っていることがよくわからない」といわれてしまう、
さらには質問に答えてるはずなのに、質問に答えてと言われる、
と困惑したお話を伺うことも少なくありません。
お互いに実りあるコミュニケーションのため、セルフチェックをしてみてもいいかもしれません。
たとえば、病棟であるかもしれない、下記の事例はどういったことが問題でしょうか?
上司:「昨日、入院が3件あったと日報に書かれてるけど、今日は私が担当だから、病状と経過を報告してもらえる?」
部下:「患者さんから「食べ物の持ち込みはいいの?」と聞かれたんですがどうすればいいでしょうか。」
上司:「(経過を報告してと言ったのに……)売店で購入できるレベルの物だったらいいですよ、と対応するように決めていたよね。」
部下:「いえ、それじゃダメなんです。」
上司:「なぜ?」
部下:「売店に置いてないものがほしいということでした。」
上司:「(質問に答えてくれないかな・・・)いえ、私が聴いているのは、「なぜダメなのか」だから、理由を教えてもらえる?」
部下:「うちの病院の売店、品揃えが不十分だと思うんですよね。」
上司:「あなたの意見ではなく、患者さんがなんと言っていたかを教えて。」
部下:「はい、売店に置いていないものがほしいと。」
上司:「(イライラ)いや、患者さんが、なぜ売店に置いてないものが欲しいといったのか、聴いてないの?」
部下:「えーと、さっきも言ったとおり、品揃えが不十分だからなんですが・・・」
上司:「そうじゃなくて!あなたの感想ではなく、なんて患者さんが言ってたの?」
部下:「それは聴いてません。でも多分品揃えが悪いせいだと思います。」
上司:「(結局聴いてないのか)……わかりました。じゃあなぜ、品揃えのせいだと思ったの?」
部下:「病院の施設概要を話したら、売店の大きさとか、近くのコンビニの場所について質問してきたからです。」
●原因1:質問に答えていない。
答えた相手としては、質問に答えるというのが、
相手の質問に答えるのではなく、相手が発したことに対してリアクションをとる、という感覚で答えてしまっています。
ポイントは質問されたことについて答えることです。
●原因2:自分の意見と、他人の発言の区別が混同している
確認する側からすると、受け取る情報の内容だけでなく、情報の発信元も判断をするときに非常に重要です。
●原因3:相手の聞きたいことを考えていない
コミュニケーションの最も基本的な部分として、「相手の聞きたいことを話す」と言うのがあります。
コミュニケーションの技術構築が未熟な状態ですと、
話すことに一生懸命になるあまり、相手が何を知りたいのかを鑑みる余裕がないことがあります。
(これが相手からすると、自分の質問を無視していると感じさせてしまうことになります)
事例の場合、上司は「昨日入院した患者さんの経過を報告して」と言っているにもかかわらず、部下は「経過」について深く考えずに発言しており、そこに重大なミスコミュニケーションが発生してしまっていますよね(;_;)
もし相手が何度も同じことを聴いてくるのであれば、相手が何を聞きたいかを確認する。
例えば、「受注につながる成果、の報告ですよね?」といったような感じです。
上記を意識するだけで、コミュニケーションの効率は劇的に変わると思います。
ぜひ活用してみてください(^^ゞ
人事コンサルタント
金森 秀晃