コーチングをさせていただいた際に伺う相談のひとつに、
部下のパフォーマンスを引き出すための声掛けについて、どうしたらよいか?というものがあります。
詳しく伺うと、自分では励ましているつもりなのに、
場合によっては、逆に相手の心が離れてしまう感じがするとのこと。
励ましの言葉をきちんと相手に届けるときに
やってしまいがちなのが、
”単に励ましの言葉を並べるだけ”というものです。
特に若手スタッフのように立場や年齢が離れている場合には、
「どうせこっちの気持ちなんて、わからないだろう・・・」というのが出てきやすくなります。
むしろプレッシャーに感じてしまい、相手の緊張感を高めて逆効果になってしまうかもしれません。
その前に相手に寄り添い、この人に理解してもらえたと感じてもらって初めて、
励ましの言葉が沁み込みやすくなります。
では、どのように効果的に励ますのか、4つのステップをご紹介します。
▶ステップ1:共感
ここでは相手が置かれている事実や状況にしっかりと共感します。
これがしっかりとできたら、残りの3ステップはできたも同然という位重要なステップです(^^)
相手の心が不安な感情でいっぱいのときに、励ましても言葉が入る余地がなく、
むしろ逆効果になることもあります。
まずは相手の置かれている状況に共感し、励ましの言葉が入る余地を作ります。
例:大事な商談を控えている相手に対して
NG:リラックスしよう! 不安になってもしょうがないだろ
OK: こんな大事な商談なんだから緊張して当たり前だよ
▶ステップ2:承認
ここでは共感した状況をプラスの解釈に変えていきます。
例:大事な商談を控えている相手に対して
→緊張しているのはこれまでしっかりと準備をしてきた証拠だよ
▶ステップ3:解決策
相手にやってもらいたいこと(結果を出すための正論)を伝えます。
ポイントはふたつあります。
ひとつめは結果を出すために必要な行動について伝えることです。
相手は具体的に何に集中すればよいのかがわかり、やってみよう、それならできる!となるものがオススメです。
ふたつ目はネガティブな表現を使わないことです。
心配のあまり「××するな」という表現を使ってしまいがちですが、
ネガティブな言葉は相手の頭の中にそのイメージを作り出します。
NG:ミスしないようにね
OK:言葉の細部に意識を向けてね
▶ステップ4:励まし
ここでようやく、励ましの言葉をかけます。
ここでは相手が言ってほしい言葉をかけることが重要です。
気合いを入れてほしいのか、自信を与えてほしいのか、
寄り添ってほしいのか、安心感を与えてほしいのか。
相手が何を望んでいるのかを見極めるのです。
例えば、気合いを入れてほしい、奮い立たせてほしいと思っている相手には
「大丈夫、君ならできるよ」
「あの努力は誰にもまねできない」
「今、すごくいい風が吹いてきている。思い切りのっていこう」
などでしょうか。
この4つのステップで考えると、
自分が励ましたいように励ますのではなく、
相手の気持ちや状況を認め、
その時に最も効果的な相手を励ましをすることができると思います。
ぜひ、活用してみてください(^^)/
人事コンサルタント
金森 秀晃