先日、コンサルティングの月次MTGにて、長年お付き合いのある方からご相談を頂きました。
「困った社員を辞めさせたいんですが、どうしたらよいでしょうか?」
10年来お付き合いをさせていただいている方ですが、
どんな方にでもよいところを見出し、活かそうとしていらっしゃいました。
そんな方が、この相談を持ちかけるには相当の苦労があったことは想像に難くありません。
事情を伺ってみると・・・
・半年経つが、全く仕事ができるようにならない
・病棟は危険だと判断し外来に移したが、簡単な業務もおぼつかない
・自分はできると思い込んでいるので配置転換をパワハラだと言ってくる
・無断欠勤をパワハラのせいだと主張してくる
・何度も話し合いの機会をもったが、平行線。
・ただ、辞めさせるとなると、それをまたパワハラだと言われて 悪評を流されたりしないかと心配である
・この方を活かしたい気持ちに嘘はないが、 それよりも今の社員を守らなければならない
というのが、今回のご相談内容でした。
辞めさせるにしても、残すにしても、
一度外部の人間が話をしてみましょうかということになり、
弊社のスタッフが、当事者の方とお話し合いをして参りましたが、
まとめると
「できない自分に対してパニックになり、自己防衛をしているうちにこじれてしまった」
ということでした。
このままだと居場所がないと思えば思うほど、
誰かのせい、何かのせいにせざるをえなくなり、
それを言っているうちに正当化するための攻撃材料を探してしまった
ということなのだと思います。
最初は「病院側の手先がきた」というような(笑)、非常に攻撃的な眼差しを向けていらしたそうなのですが
事務長や病院の方々は、あなたを本当は生かしたいし、信じたいし、なんとかしたいと思っていらしゃるのだという思いを
真摯に伝えていったところ、心を開いてくださったそうです。
コンサルタントからは、 「仲間に難しいことは難しいと臆せず伝えて、何が得意なのかを見つけていくのはどうか?
必ず得意なことを見出して、他の方々の役にたてる日がくる。
院長も、師長も、事務長も、人を生かすことに真剣な人たちだから心配ない。
もしこの病院でそれが見つけられなくても、その時は別のところで生かせる場所を見つけていけばいい。
ただ、こんなに恵まれた環境は珍しいからしっかりと向き合った方がお得だ」
という旨をお伝えしたそうです。
その後、どうなったかというと・・・
問題行動が激減し、できないことを正直に伝えて協力を仰ぎ、
できることから誰よりも一生懸命に取り組む姿を
評価する声があがるほどになったそうです!!
“モンスター社員”と言われる方も、
もしかしたら、ただ、なんとかここで頑張りたい、とそう思っているだけなのかもしれませんね。
(そうなれない自分を誰かのせいにすることで守りたくなってしまっているだけなのかもしれません。)
上司の側からしたら、勘弁してくれよと思われるかと思いますが、
そんな時こそ、是非、ひと手間かけて歩み寄り、を思い出してみていただけますと幸いです。
(偉そうにいっている僕も難しいなと毎日思っていますが、
心がけるだけでも、諦めそうになる自分を諫めてくれる、よい材料になってくれると感じています)
人事コンサルタント
金森秀晃
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