「うちはコンピテンシ―でやってるから大丈夫!!(・・・だと思う)」
「コンピテンシーが古い化石のようなものになっていて、コンピテンシーを変えるべきか、そもそも枠組みを変えるべきか悩んでいる」
最近、ファミリーからよくこういったご意見・ご相談を伺います。
そもそもコンピテンシーとは、何でしょうか?
正確にはアメリカの人事評価の考え方で「成果を生む望ましい行動特性」のことを言います。
ちょっとしたマメ知識ですが、米国防総省(いわゆる、ペンタゴンですね)が組織のチーム編成をする際に採用し、
90年代半ばから企業に急速に広まりました。
まとめると、
「できる社員の行動ノウハウ」あるいは「優秀な社員の行動パターン」を元に
評価、フィードバックをして組織として成果を出していこうというものなのです。
メリットとして、よく言われることは、
① 評価のポイントが明確なので評価しやすい
② 被評価者にとっても具体的な行動をイメージできるので、能力開発しやすい
(出来る人の真似がしやすいということですね)
③ 成果に直結するため業績向上が期待できる
ということです。
たしかに、成果につながる行動パターンを見出し、
それを真似ることでスタッフが成長できる仕組みというのは非常に合理的ですね。
ただ、一方で現場でよく伺うお悩み(コンピテンシーのデメリットと言えるのかもしれません)としては
下記のような内容があげられます。
・仕事ができるの行動特性や思考パターンを把握するためには、
その人からヒアリングをするか、その人にアウトプットしてもらうしかないが、
アウトプットは苦手な人が多く、サンプルを取りづらい。
・仕事はめまぐるしく変わるのでコンピテンシーも随時変える必要があるが、
仕事ができるプレーヤーは概して忙しいので精査が遅れ化石化する傾向にある
・職種、階層間のレベル合わせが難しく、横串が通しづらい
・行動特性一つ一つに評価をする必要があり、面倒になって形骸化する
あなたの病院・施設はいかがでしょうか?
色々と分析をして行く中で私たちが行き着いた答えとしては・・・
実はこれらの問題は、
“その行動がとれない理由を技術や知識のせいにできていない”ということです。
(どうにもならないと本人が思っているものを、それはこうすれば解消できるということが希望になるわけですが
性格の問題、元々の素質・気質の問題・・・等で終わってしまう可能性があるということですね)
たとえば、
◆ストレス耐性 落ち込むことがあっても素早く立ち直る
という項目があったとしましょう。
これに関して、メンタルが弱いという認識のある人がこれをみたら、
被評価者は「私はメンタルが弱いから仕方ない」
評価者は「あいつはナイーブだからなぁ。仕方ないな」と
ただ単純に思うのではないでしょうか。
こうした例が重なると、
「出来る人は確かにストレス耐性強いのかもしれないけど、
私はそんなに強くないの。それが性格なの。
ねぇ、これ、続けて意味あるの?面倒くさい。。」
となっていってしまいます。
誰もそうなりたくてなっているわけではないものを攻撃されているように感じるのかもしれませんね。
ですから、カウンセリング能力の高い管理者や人材育成に秀でた管理者は
「こうすればストレス耐性を高めることができる」という道筋を見せることができますが、
そうでない場合は、ただ残念な結果を突き付けられて終わってしまう可能性が高い仕組みということになります。
もちろん育成に秀でた管理者を育てることも重要ですが、
こうした場合は“仕組み”自体を変えることが最も早くて効果的です。
ただ、組織の中にいるとなかなかその問題点なども把握し辛いところもあるかと思いますので、
仕組みの変え方、補足の仕方などについてご相談がある場合は、是非一度、お気軽にお問合せ下さい。
枠組みを変えたほうがよいのか、補足の仕組を設けることですぐに解消できるのか等
様々な角度からプロのコンサルタントが検証させていただきます!
人事コンサルタント
金森 秀晃
例えば、技術や知識のせいにできれば平等に見るということも叶うかもしれませんね。
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