「リアクション」普段からとることを意識していますか?
芸人さんだけが取るものと思っていた方、ちょっと惜しかったですね 笑
リアクションは、ものすごくオーバーにとらなくてはならないというのではありません。
その目的は、「相手のために自分の状況を伝える」ことだからです。
自分からちょっとしたリアクションをとるだけで、相手は安心し良好な関係性を築くことができます。
例えば病院の外来の受付や会計窓口。
月曜日や金曜日は、特に混んでいて忙しいというお話をよく伺います。
研修前にその風景を何気なく見ていると、
ある法則に気付きました。
それは、窓口に行く人のほとんどが、
「名前を呼ばれても返事をしない」ということです。
とはいえ患者さんは通院慣れていますし、
返事をしなくても名前を呼ばれてその窓口へ歩いていく人がいますし、
事務の方も名前を確認して作業を始めるから、困ることはないのでしょう。
係の人があれこれ説明をしてくれるわけですが、
相槌もほどんど打たず、視線を落とし黙って聞いている、という状況でした。
事務の方も、朝からずっと同じ作業をしていて疲れていたのか、笑顔も少なく事務的に話していました。
説明が終わると、「じゃあ、そこの緑色の線に沿って内科受付に行ってください」と指示を出して、次の人の名前を呼ぶという具合でした。
「今日は何科を受診されますか?」
「内科を希望してます」
「じゃあ、これをもって行ってください」
「はい、ありがとうございます」
こんな具合で、相手の説明にはっきりと答えたり、お礼を言ったりしていました。
すると・・・!
その係の人の声がだんだんと明るく元気になってきていました。
最後は、今までは事務的に「そこの緑色の線に沿って行ってください」と
話していただけだったのに、立ち上がって窓口から患者さんがいる方に身を乗り出していました。
そして、床にかいてある緑色の線を指さして
「●●さん、そこにがかいてあるでしょう?その緑色の線に沿って行くと、内科受付がありますので、そこでお待ちいただけますか。」
と、とても丁寧に説明をしていたのです。
お互いにとても気分がよいコミュニケーションだなと思いました。
それまで、事務的にやっていた事務の方が、身を乗り出して親切に教えてくれるようになったのはどうしてなのでしょうか。
これはちょっとした言葉で反応を返したからです。
つまりリアクションですね。
人は反応を返してもらうととてもうれしいものなのです。
このことは人と人との関係全部に言えることなのではないでしょうか。
自分は消極的な性格だからあまり人に話し掛けられないとか、
おもしろいことが言えないとかと思い込んで、
リアクションをとらない人がいるかもしれません。
でも実は、リアクションは性格とは関係がないのです。
シンプルに、「相手に反応を返す」これだけで十分なんです。
例えば一言でいいから、明るく「そうだね」とか「へ~」とか
「なるほど」とか「ありがとう」とかと言うだけでいいんです。
それだけで相手の人の気持ちも態度も変わっていくことがありますよ。
最初は硬化していた(いるようにみえる)方も、
もしかしたら緊張している、
なにか気がかりなことがあるだけなのかもしれません。
その前提があるだけで、
相手を安心させてあげよう、疑問がなんなのか話を聴いてあげよう
というように自分の言動を周囲のために変化できるのではないでしょうか。
そうすると、それがきっかけになって友達になれるかもしれません。
仕事上の関係性であれば、相手の状況を思いやれる「間」ができることでしょう。
ぜひ、一言の明るいリアクションを心掛けてみてください。
そこから、新しい関係性が構築されていくかもしれません。
人事コンサルタント
金森秀晃
こうしたリアクション、フィードバックが評価制度の運用とも結びついていくのではないでしょうか。