北京冬季オリンピックが閉会してから早いもので1ヶ月あまりが経ちましたね。
 私は中継はほとんど観ず、スポーツニュースで結果を知るというような感じでした。
その中でも印象深かったのが、フィギュアスケート男子シングルの羽生結弦選手です。
 特に試合直後に漏らした「努力は報われないんですね」という一言から
 数日後の記者会見での「満足した4回転半だった」という変化のプロセスに、
 私たちがマネしたい”正しい”完璧主義があるように思います。
完璧主義と聞くと、神経質とかうつ病の要因のひとつというように
 一般的にはあまり良いイメージがないかもしれませんね。
 ですがこの完璧主義は近年ふたつに分類されることがわかってきました。
 「適応的完璧主義」と「不適応的完璧主義」というものです。
 それぞれの特徴をざっくりとまとめると・・・
▼適応的完璧主義
 ・目標は高いが理にかなっている
 ・積極的に努力する
 ・秩序立てて計画的に行動する
 ・人からの評価を過度には気にしない
▼不適応的完璧主義
 ・高すぎる目標を掲げているのに気付かない
 ・失敗を過度に恐れる
 ・失敗によって人から評価されないと不安になる
 ・自己批判が強い
 ・ひとつのミスで意味がない、すべてダメだなどと感じる
上記のようになります。
いろいろとありますが両者の最大の違いは、努力の方向性です!
 適応的完璧主義の人は「自分の成長に必要だから自分の目標を目指す」という自己追求型の努力、
 一方で不適応的完璧主義の人は「人から評価されたい、認められたい」という承認追求型の努力
 というように、何に対して努力をしているのか対象が真逆といっても過言ではないかもしれません。
 (もちろん、承認欲求は適応的完璧主義の人にはまったくないというわけではないので、割合の多さとイメージすると良いと思います!)
羽生選手が試合直後に報われないと口にした後に、
 満足したと変化したプロセスの根底には、
 メダル獲得のためだけではなく並外れた自己追求型の努力を重ね
 完璧を目指しながらも思うようにいかない・いったを繰り返すことにも
 意味があると体に染み込んでいたからなのではないでしょうか。
完璧を目指し努力して頑張っても結果が手に入らなければ、誰しも「報われない」と感じて落ち込むものですよね。
 それが過剰になると「努力しても無駄だ」と思いがちで、それが心をうつに追い込んでしまったりします。
羽生選手の、他者からの評価とは別の視点で、完璧を目指すことと自己追求型の努力を重ねることが
 自分自身の努力に納得ができて、自分の心や前進する力も強くなるのだということを見せていただいたように思います!
 人事コンサルタント
 金森秀晃
 
 
 
  
  
  
  
  
 