最近、
「AIに悩みを相談した」
「AIが返してくれた言葉に救われた」
という話をよく聞きます。
まるで、いつでも開いているオンラインのカウンセリングルームのようで、
そういう存在が生まれたことをすごいよい時代になったなーと思います。
一方で、確かに一瞬スッキリはするのですが、
そこに「依存」するようになると、かなり危険だな(より悩みを大きくする)と感じることはあります。
というのも、AIは学習しますから、
みなさんが共感的なリアクションを求めると
すぐにそういう対応をするようになるのです。
本来見直した方が良い解釈や自分自身の誤解・勘違いがあっても
そのモードになったAIは言ってくれることもありません。
ともするとその改善したほうが良い部分を助長するような助言をしてくることもあります。
なので判断を委ねるようになると怖いですよ。
また、AIがどんどん解決策の仮説を出してくれてしまうものですから、
自分を内省する機会が得られにくくなる可能性もあります。
こうなってくると、いよいよ危なくなってきます。
そこで!
今日は、AIを安全に相談役として使うときのポイントを
3点だけご紹介しておきたいと思います。
① 共感と賛同だけを求め続けない
気持ちを落ち着かせたいときはこれも一つなのですが、
少し落ち着いてきたら、
「その時上司はどういう気持だったのかな?」
「このことをすごく前向きに捉えるとしたら?」
「相手にはどういう事情があったと思う?」
「私が間違えているとしたらどういうところだと思う?」
「完全に相手目線でいうとどういう事が考えられる?」
など、相手の視点を聞いてみたり、視点を補完してみるとよいでしょう。
これでかなり気づくことがあります。
②AIに「答え」ではなく「質問」を生成してもらう。
例えば「私の状況を整理するための質問を10個作って」などと頼むと、
良い質問をすぐに考えてくれるので、
それをもとに自分の思考や感情、行動を整理したりすると本質的な問題解決の手助けになります。
③専門家とAIは使い分ける
そもそもですがAIと専門家は代替関係ではなく、「補完関係」です。
役割も能力も違うので明確に使い分けた方が良いでしょう。
(なので本格的に気持ちが落ちてしまっていたりしたらまず専門家に頼ったほうがよろしいかと思います。
AIはその上でカウンセラーや先生と相談してツールとして活用しましょう)
AIは知識の集合体からあなたの質問にわかりやすく最大公約数で回答してくれますが、
別にあなた自身を見ているわけではありません。あなたの将来を考えているわけでもありません。
つまり、「点」のあなたしか捉えていないと考えるのが妥当でしょう。
(今後、あなたにあったオーダーメイドAIが開発されることもあると思いますが、
現状まだそこまでには至っていないと思います。)
一方であなたの過去、現在置かれている環境、抱えている問題、未来を捉え、
行動・思考・感情を把握し、未来のためにあなたに必要な介入をしていくのがカウンセラーです。
AIは知識と視点の提供を行い、専門家は気づきと変化の誘導を行う。
ここに明確な違いがあります。
そういう意味では、カウンセリングの基本を学んで、カウンセリングプロセスを身につけていると
AIも上手に活用していくことができるようになります。
手段としてAIを使うことができるようになるからです。
そうしたスキルを気軽に学べるオンラインスクールも用意しているので
気になる方はぜひ参加してみてくださいね!
人事コンサルタント
金森秀晃
