こんにちは。
人事コンサルタント・講師の三上絢愛です。
今日は金森社長のブログをジャックいたします。
先日数人の若手医師の方とお話した際、こんな話がありました。
三上
「ここだけの話、他の職種の方と連携を取る上でお困りの事とかあるものですか?」
若手医師Kさん
「患者やスタッフと必要なコミュニケーションを取ろうとしているだけなのに、
ともすると『ハラスメント』と言われるご時世じゃないですか。
ちょっと下手な事いえないですよね。伝えるって難しいですね…」
・自分の意図しないところで「パワハラ」と名指しされでもしたらたまらないな
・年上の看護師やベテラン技師に対して、偉そうな口のきき方するなと思われたら嫌だな… 等
医師の方からすると、本当は治療やケアのことに専念したいところですが、そうもいかないと
いっそのこともう自分の意図を汲んでくれる人とだけ話した方が効率がいいんじゃないか
位に思いたくなることもあるかもしれません。
ここ数年で”ハラスメント量産時代”になっている日本。
その波は、医療介護業界にも確実に押し寄せてきています。
それは医師も例外ではなくなっているように思います。
でも実際には、患者のために職責を全うしようとするからこそ、
時に厳しい言葉や強い口調になってしまうこともあります。
患者の生死に関わることですので、むしろそうでなくては守るべきものも守れませんしごく当然のことですよね。
(その姿に勇気づけられる患者さんもいると思います)
この背景を重々鑑みた上で、敢えて伝え方が大事ですとお伝えする理由をあげるとしたら
医師の伝え方は、信頼と連携を生む“診療スキル”のひとつと考えるからです。
これまでは「伝え方」というとマナーのイメージが先行しやすかったように思います。
ですが現在は医療現場がかつての「技術至上主義」から、
「チーム医療・患者中心のケア」へと大きくシフトしています。
医師が単独で治療を進める時代は終わり、
看護師・技師・事務職など多職種との連携が診療の質を左右する時代になりました。
さらに、社会全体で「ハラスメントへの感度」が高まっている今、
医師の言動は従来以上に注目されやすくなっています。
これは医師の立場が弱くなったということではなく、
むしろ「医師だからこそ求められるコミュニケーション力」が高まっている証とも言えます。
つまり、医師の伝え方は単なるマナーではなく、
「医師としての信頼性」や「チームの統率力」を示すスキルと言えるかもしれません。
医師が自らの言葉を磨くことで、3つの好循環が生まれます。
★ スタッフの理解と協力が得られやすくなる
★ 患者との信頼関係が深まる
★ 結果的に診療の質と効率が向上する
これは、医師が「医療技術+人間力」でチームを牽引する、新時代の医師像そのものです。
若手医師Kさんは、多職種のチームと連携する中で、 患者様の治療計画を説明していた際、
看護師の方から 「その説明だと現場で対応する私たちは困るんですよ」
と現場の視点から率直な意見をもらったそうです。
突然の指摘に一瞬戸惑い、
「そのくらいわかってほしいな…」と憤りを感じたそうですが、
その時ふと、 以前受けた「医師向けのハラスメント対策研修」での学びを思い出したそうです。
「相手の立場に寄り添い、冷静に対応することが信頼につながる」との言葉を胸に、
Kさんは感情的にならず、丁寧な言葉遣いと姿勢を意識して対応しました。
ミーティング後には
「今日は皆さんのおかげで新しい視点が得られました」と感謝の言葉を伝えたところ、
看護師さんとの関係がより良好になり、他のスタッフとのやり取りもスムーズになり
「医師としてチームに溶け込む大切さ」を実感したと話してくれました。
「些細なことだけど、スタッフから積極的に相談を持ちかけられるようになり、
診療全体がスムーズに進むようになりました。 医師だからこそ
指摘しにくいところもあると思うので、 まずは自分から変えていくことが大事ですね」
伝える事を恐れる必要はありません。
相手を思いやる言葉選びや聞く姿勢を心がけるだけで、
先生方の伝えたいことはしっかりと届きます。
医療技術のみならず、先生方の小さな変化・人間力がプラスされることで
チーム全体の成果が向上し、
結果的に患者ケアの質向上に貢献することになります。
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人事コンサルタント・講師
三上絢愛