鬼滅の刃の興行収入がすごいことになっていますね!
私はまだ映画は拝見していないのですが、漫画では読んでいまして、
読むたびに、柱たちの侍魂というか志、
役割のために自分を使い切る、次の世代に志を「継ぐ」という生き方、
誰の心の中に潜む「鬼」に思いを馳せてしまいます(笑)
(社員に教えてもらって読み始めたのに、彼らよりオタクになっている気がします。笑)
さて、鬼滅の刃が好きな方にぜひおすすめしたい小説が一つあります。
それは百田尚樹さんの「影法師」という作品です。
江戸時代の架空の藩に生きた二人の侍の生き様を描いた作品なのですが、
この「柱」と重なるところがとても多い作品だと感じています。
私がこの「影法師」という作品の中で一番胸が熱くなるのは、
百姓一揆の首謀者である万作と門を守る武士、成田氏のやりとりです。
当初、元服前の主人公の勘一とその竹馬の友である彦次郎は
あっさりと門を開けて万作たちを通した成田氏を「腰抜だ」などと思ったが、
後に、一揆を起こした首謀者は一族郎党(子どもも含めて)磔の刑になること、成田氏も自裁したことを知り、
あの門でのやりとりがお互い「死を受け入れる覚悟の上で」
行われたことだったことを理解するのです。
勘一は、自分はいつ斬り合いが行われるのだと武士の心を奮い立たせているだけで何もわかっていなかったと、その時の自分を恥じ、
万作たちの処刑の現場を見た帰り道、将来為したいことに思いを馳せます。
志を抱くきっかけを作った者(犠牲も含む)、志を抱く者、
それに共鳴し支えたいと思う者、守りたい者、守られた者、
それぞれの思いが交錯し、心が大いに動かされる作品となっています。
時代ものの小説なので「侍たるもの」というところも色濃く描かれるのですが、
男女問わず、日本人の魂というか美学のようなものが感じられ、胸が熱くなります。
誰のように生きたいか、それは人それぞれで良いと思いますが、
私は誰に見られなくても、認めてもらわなくても
誰かのために、何かのために自身が決めた役割を果たす
彦四郎のように生きたいと思いつつ、
そうした場面になったときに彦四郎のように行動できないかもしれないと恐れ、
その間で一生もがきながら生きていくのだと思います。
勘一の男泣きに涙する、そんな作品ですので、
鬼滅が好きな方はぜひ一度読んでみてください。
人事コンサルタント
金森秀晃