「昔は写真を持ってきて、こういう髪型にしてくださいと
言われる方が多かったんですけど、今はお任せっていう方がほとんどですね。
時代なのか、お客様の層が変わったのかどうなんでしょうね。」
美容師をされている方がおっしゃっていたお言葉です。
これはほぼ間違いなく、
この方への「信頼感」が高まった結果であると私は感じました。
もっというと、
「この人だったら私が好まない髪型にはしない」
「必要ならイメージ共有をして確認をしてくれる」
という絶対的な安心感があるとも言えるかもしれません。
というのも、よくよく話を聞くと、
その方のコミュニケーションがやはりすごいのです。
いくつか写真を見せながらイメージ共有をして意見を聞きつつ、
選択肢を絞って好きな方を選んでもらったりしているそうなのですが、
その場で選んでもらうことだけが目的ではなく、
「それを何回かやっていると言葉にはしないけれど好きな傾向がわかるから
気に入った髪型にして差し上げたくて写真を見せています」とおっしゃっていました。
こんな風に進めていただけたら、
「お任せです」という方が間違いなく多くなるでしょう。
これは美容師のみならず、セラピストやコンサルタントなどでも
同じことが言えると思います。
毎回、クライアントに真摯に耳を傾けて、
まだ言語化されていない感覚まで拾おうとし、
他者を理解しようとするプロセスにクライアントは安心感を覚えて、
「先生にお任せします」という状態になっていくのではないでしょうか。
こうすべきだ!だけ持っている人でもダメですし(もしそれが本当に正しくても)
どうしたいか言ってくださいと他人に委ねている人でもダメですよね。
こういった動きを狙ってやっていないというか自然にやっているのもすごいですが、
やはりお客様に喜んでいただきたいとか、身体を楽にして差し上げたいとか、
強くなっていただきたいとか、目的意識があってこその自然体のあり方と
言えるのかもしれませんね。
私もそういう人間を目指し続けたいと心から思います。
人事コンサルタント
金森秀晃