「脳はスノードームのようなものです。
スノードームを揺さぶるとものすごく騒々しくなって、
そのあと徐々に落ち着き始めます。
問題を解決するには、落ち着いたスノードームが必要なのです」
これは『Don’t Swear at Work: The Rule Breakers’ Guide to Workplace Brilliance』の著者、カースティ・フルス氏の言葉です。
今詰めて考え抜いた後でコーヒーブレイクをしているときに
ふと何かをひらめく、というような現象を
すごくわかりやすく可視化していただいた言葉だなと感じました。
フルス氏はマーケティング会社のトップとしてハードワークを経験する中で、
パニック発作を患い、そこから成功や仕事に関する神経科学や、
わたしたちを生産的な存在にしているものが何かというところを学んでいらした方です。
だからこそ、成功を追い求めて今詰めて頑張りすぎる方に向けて
「戦士の休息」の意味するところを問いてくださった言葉だと思います。
ですが今回はあえて、その後半部分ではなく
前半の「スノードームを揺さぶる」ということに
着目してみたいと思うのです。
なぜなら昨今の私たちには、心を乱されたくない、
新しいことをして混乱したくない、
葛藤を抱えたくない、いつも平穏ですっきりしていたい、
という思考が強く根付いていると感じるからです。
かくいう私もかつては
混乱が嫌で動き出せないことや、苦手なこと、
新しいことに取り組む際の抵抗感がかなりあった方だと思うですが、
今ではそうした頭をかき乱す事象、混乱がないと
かえってそわそわする、という体質に変化しています。
(これだけ書くとなんかちょっと変態みたいですが。笑)
そのきっかけは、何かというと
毎日の「瞑想」というルーティーンでした。
最初は先輩経営者に進められてなんとなく始めたものだったのですが、
ある時、追い込まれて頭から血が出るほど考え抜いて、
苦手だったこともやらざるを得ず、新しいアプローチもとらざるを得なかったという「頭をかき乱される」経験の先で、
「素晴らしいひらめきや精度の高い思考が振ってくる」ということを経験してしまったのです。
そのひらめきを探知できたのは、いつも「瞑想」の時でした。
この頭の中の大混乱があってこその、瞑想時の「果実」を知ることがなければ、
おそらく今でも混乱が「嫌すぎる」ままだったと思います。
この気持ちよさは、思い切って頭の中に混乱をもたらさないと味わうことができないので、
最初はちょっと抵抗感もあると思うのですが、
ぜひ1日の中に自分なりの「スノードームを置く習慣」を作り出し、
そこめがけて目一杯頭をかき乱してみるという体験をしてみてください!
絶対に!? 健全な問題・混乱大好き人間になっていきますよ!
人事コンサルタント
金森秀晃