Z世代の部下をもつ上司の方々からこんな悲鳴をいただくことがございます。
「全部に”これやる意味あるんですか?”ときいてきておかしくなりそうです。」
「やり方伝えても、いちいち”マニュアルないんですか?”ときいてくるので面倒くさいです。」
「”テンプレください””フォーマットください”と言われてうんざりします。」
「目的を伝えても自分が100%納得しないと動かないので、もう頼みたくないです。」
その様子が目に浮かぶようで、
誰が悪いということではないのですが
その苦労を思うとなんだかいたたまれなくなりますね…!
目的を共有しても、意味を説明しても、
自分が100%納得しないと動かないとなると
確かに「納得コスト」が高すぎて厳しいと思われるのも
無理はありません。
一方で納得させれば動くわけで、納得するまで情報を与え続ければいいのではないか、
という意見もあるかもしれませんが、実際のところこれもおすすめはできません。
本人の納得には結構きりがないということもありますが、
緊急性の高いとき、納得感がなければ動けないとなったら、
組織に甚大な被害をもたらす可能性があるためです。
そうなると、
マニュアルを用意したりする環境整備もしつつ、
目的共有などを徹底するという努力と平行して、
「ある程度不納得を抱えたままでも動ける状態を目指す」という方向になろうかと思いますが、
ここでみなさん相当悩まれているのではないかと思います。
不納得でも動ける領域を1%ずつ増やしていくためには
どうしたらよいのでしょうか。
それは…
「納得させる」のではなく「(自分で)納得できるように育てる」
ように視点を変えることです!
上司がすべてを説明し続けて“納得させる”という構図を続けていては、
部下の「納得耐性(=自分で意味を見出して納得できる力)」は育ちません。
むしろ「納得させてもらうのが当たり前」という思考を強化してしまい、
結果的に自走できないままになってしまいます。
既にやられている方も多いかと思いますが、
例えば
「意味を考えるのはいいことだね。
◎◎さんとしてはその意味をどう考えてる?」
「確かにその質問、大事だね。自分ではどうしたらいいと思ってる?」
「いい視点!時間がかかっても大丈夫だから、
まずやってみてその意味について考えてみてほしい。」
このような声かけをして部下の納得耐性を鍛えていくのが、遠回りに見えて実際のところは一番早いです。
上司としては、「納得してからでないと動かない」という姿勢には
思わずイライラしてしまうこともあるかもしれません。
ですが、Z世代の部下も決してワガママを言いたいわけではなく、
「意味を大切にする」世代で育っただけなのだと思います。
育て方次第で組織にとって非常に大きな力になってくれますので、
育成方針について悩まれている方の参考になれば幸いです。
人事コンサルタント
金森秀晃