「専門職として当たり前のことを言っただけだと思うのですが、
ロジハラ(ロジックハラスメント)だと人事部に訴えられました。
正直自分は正しいと思っているのですが、
論理的に指導するのはハラスメントなんですか。」
先日のハラスメント研修の際にこのような質問をいただきました。
現場をみていないですし、双方の意見を伺っていないのでなんとも言えないところはありますが、
まず明確に言えるのは、論理的に指導すること=ハラスメント ではないということです。
問題は「論理的に指導」の中身です。
以下のような内容に該当する場合は、熱心な指導とはいえ
気をつけたほうがよいでしょう。
・過度の論理的要求
相手に対して「不必要に」厳密な論理的説明を求め、
そのプロセスで精神的に追い詰める。
・感情を無視した対応
相手の感情や個人的な価値観を一切考慮せず、
論理や事実だけをもってコミュニケーションを取ることで、
相手の自尊心を不当に傷つける。。
・論点のすり替えをして攻撃
正しくない論理や理論を用いて(論点のすり替えをして)
相手の意見を否定し、自分の立場を優位に置く。
最も注意すべきは
3つ目の「論点のすり替えをして攻撃」をしていかないかどうかということです。
例えば…
Aさん「学校ではよりクリエイティブな思考についても教えるべきだと思います。」
Bさん「Aさんは、数学や科学は重要ではないと言っている。科学を軽視しているから仕事ができないんだ!科学をなんだと思ってる!」
この例を見ると明らかにおかしいと思われると思うのですが、
これを上の立場の方や圧のある方などからすごい剣幕で言われたりすると、
優しい人ほど揺れてしまうものです。
もともとAさんは科学を軽視しているわけでもないわけですから
どんどんBさんのペースになって追い込まれてしまいます。
第三者が入って「それはハラスメントだ」と認定されるのはこういうケースが圧倒的に多いですね。
これは私の感覚値ですが、
ロジハラだと言われる方の多くは
実は「非論理的」であることが多いと感じています。
(ご自身は自分は誰よりもロジカルだと思っているのですが…)
※もちろん本当に論理的な方で感情への配慮が少なかったり
伝え方の技術を知らないだけという方もたくさんいらっしゃいます。
「論理的風」で相手を打ち負かそうとする姿勢そのものが
ハラスメントと感じさせる、ということなのでしょう。
実際論破できていないことのほうが多いのですが、
「はい!論破!!」というような姿勢のことですね(笑)
ロジハラ加害者にならないために気をつけたいと思っていらっしゃる方や
ロジハラの被害を受けている方の参考になれば幸いです。
人事コンサルタント
金森秀晃