物価の高騰対策やスタッフの賃上げを目的として診療報酬のプラス改定を求める医師会や病院団体と
なんとしても社会保障費を削減したい政府側のさや当てが本格化する中、
SNS等では「医者の給料」が高いか安いかという問題と結びつけて論じる向きもみられています。
果たして、医師の給料は「高すぎる」のでしょうか。
それとも「安すぎる」のでしょうか。
仕事柄今まで多くの医療機関のお給与事情を拝見してきましたが、
答えは「どちらともいえない」です。
ですが、確実に言えることもあります。
それは…
報酬に見合わない働きの先生がたくさん存在する
という事実です。
無私の精神も甚だしく患者のために尽くし過ぎだというくらい熱心に働く先生と、驚くほどに働かない先生(笑)。
その差があまりにも激しく、正直とても驚いたのです。
さらに驚くべきは、こういう場合一般の事業会社では相当な額の給与差が生まれると思うのですが、
病院はともすると全く働かない先生の方が給料をもらっていたりするのです。
(しかも、別にマネジャーだからとかではないんですよ。
前職でそのくらいもらっていたからとか。そうした曖昧な基準のもとにです。)
ですから、確実に今後、医療機関が着手していくべきなのは、
先生方に「働きに見合う報酬」を支払う仕組みを整えることだと考えています。
そしてそれは国が推進すべきテーマなのでは、とさえ思っています。
持続可能な医療体制ということでマクロ視点の議論も当然必要ですが、
それだけで医師の給与が高い・低いと論じるのはあまりに暴論です。
診療報酬がマイナス改定で、他の職種の給料もあげないといけないからといって
身を粉にして働く先生、頑張る先生の給与まで減らすなんてことはあってはならないと思います。
そういう先生方は今でさえ、「見合わない額」で一生懸命に働いているからです。
それが国にも見殺しにされて、国民からもヘイトを買うなんてとんでもない事態です。
私も医療機関のそうした取組をサポートさせていただく立場として、
医療機関や先生方に寄り添い、良い形を模索できたらと思っておりますので、
今後の医師の報酬体系のあり方などについて
お悩みの方がいらっしゃればぜひお気軽にご相談ください。
人事コンサルタント
金森秀晃