医療介護業界では医療・介護サービスにおけるDX化は国の施策もあり着実に進んでいますが、
バックオフィスのDX化というところに関しては非常に遅れをとっているところが多い印象です。
皆さんの組織はいかがですか?
DXが進まない理由は各方面で色々と語られており、
そのどれもがうなずける内容であるものの、
実態を見ているとやはり「あまりにも手間がかかるから」
というのが最も大きな要因のように思います。
本来はもう少し細かく段階がありますが、
今回は少し単純化してDX化における4つのハードルとして表現してみましたので
まずはそこから一緒にたどってみたいと思います。
【第1のハードル】既存業務フローの整理
まずこれを担当者が既存のルーティーン業務やりながら、
既存の業務フローを整理しないといけないというところが
最大のネックといえると思います。
DXを始めるにあたっては無駄な業務をシステム化、自動化しても意味ないので、
まず最初に既存の業務の整理をする必要があります。
ただ、この業務フローの整理、現状を整理するだけだよねと思いつつも
中小企業や人に仕事がついてしまっているような組織だと、
既存業務をこなしている人しか知り得ないことだったりするものですから
整理をするのも結局既存のルーティーン業務をこなしつつ、
+αの仕事として取り組むしかなくなってきます。
そうなるとこの第1のハードルで脱落する組織が多いのも頷けます。
(ルーティーン業務だけでいっぱいいっぱいのこともあるからです)
【第2のハードル】活用するシステムの要件定義
開発でない限り、要件定義というと少々大げさかもしれませんが、
いずれにせよ「絶対必要な機能」、「あったほうがいい機能」
をしっかりと区分して整理し、システムを選んで行く必要があります。
この工程を省いてしまうと、
表面上のなんとなく魅力的な(華やかな)機能やデザインなどに引っ張られてしまい
やりたいことが実はできなかった…なんていう失敗にも繋がってしまいます。
これも色々なベンダーに話を聞きながら整理したりするので、
手間がかかる部分でもありますよね。
【第3のハードル】システムの機能を理解して業務フローを見直す
既存のフローをそのまま再現できるケースもあれば、
フローややり方そのものを変えていかないといけないケースもあります。
システムに合わせてフローを変えてよいものか、
そもそも既存のフローでその工程が担っていた目的は何か?
それをどのようにカバーするかなどなど、
フローの見直しには様々な角度からの検討が必要になります。
「今までなんとなくそうやってきた」というところも多いでしょうから、
意味や目的を把握する手間がかかってきます。
属人化している組織ほどここに手間がかかって、
頓挫してしまったりすることが多いですね。
【第4のハードル】システムとフローを変えることの合意形成を取る
新しいシステムを導入して、新しいフローを新たに覚えてもらうとなると、
ユーザとなる職員の方々に説明しなければならないのですが、
そもそものシステムの使い方、既存のフローとの違いの説明には
なかなかの根気と手間がかかります。
(医療・介護業界はITに強い人が少ない印象なので、
この浸透プロセスでは担当者に大きな負荷がかかることが多いと思います)
ここをやりきれないと「(慣れているから)前のほうが便利だった」などの
声に流されて頓挫してしまうということにもなりかねないのですが、
第1のハードルでも記載した通り、基本的に既存のルーティーンをやりながらになるので、
ここで頓挫してしまうところも少なくないのではないでしょうか。
さて、ここまで一緒にDXが進まない要因を辿ってきましまが、
その中でどうしたらDXを推進することができるのか?
すでにある程度、皆さんの中で答えが出ているのではないかと思います。
推進のための方法は大きく分けてこの二通りです。
1)DXの特命担当(専任者)をたてる
既存のルーティーン業務から開放するだけでも成功の確率はぐっとあがります。
(開発でもしない限りはそこまでITに詳しい必要はないと思います)
2)DXコンサルタントを使う
組織課題から業務フローの整理、ベンダーとの交渉などを一手に引き受けてくれるようなコンサルタントを活用すれば、
かなりの手間を削減できるのでこちらも成功の確率がぐっと高まります。
そういう意味では、
「DX化は片手間にできることではない」
ということを
(進捗がゆっくりなら不可能ではないかもしれない)
経営者やマネジャーに認識頂くということがDX化の一番の鍵といえるかもしれませんね。
人材管理や人事評価、勤怠管理などバックオフィス関連のDXでお悩みの方がいらっしゃいましたら。
色々と情報提供ができるかと思いますので、お気軽に弊社のコンサルタントまでご相談ください。
https://f-zac.com/contact.html
人事コンサルタント
金森秀晃