「目立たないけれど着実に成長している子を評価してあげたい」
「頑張る人が報われる制度に」
「利益が出た分を分配するための仕組みをつくりたい」
などなど、経営陣や人事担当の方々が純粋に
前向きな理由で人事制度を変えたり評価制度を導入しようとしているにも関わらず、
現場では以下のように真逆の受け取り方をされることがよくあります。
「(いい感じのこと言ってるけれど)きっと給料を下げるためだ…」
「どうせ会社の都合のいいようにするためでしょ…」
「条件を良くすると見せかけて改悪するに決まってる」
一定数こういう方が出てくるのは仕方ないと思うのですが、
そうした意見が大多数になってくると
新しい制度を浸透・定着させていくのはなかなか難しいですし
何より前向きな意図が伝わらないのはもったいないですよね。
では、一体どうすればこうした意見が主流にならず、
従業員の方々にも前向きに受け取ってもらうことができるようになるのでしょうか。
20年以上この仕事をやってきて、ポイントはこの3つに集約されると考えています。
1)現場の警戒心は「ごもっともなこと」として織り込み済みにする
「みんなのために考えたことなのにそんな風に捉えるなんて酷い!」とは思わず(笑)、
「自分の処遇に関わることですから心配する人が出てくるのも当然」
「安心感を与えつつ、必要な人にだけ危機意識を与えるにはどうするか?」
などの視点でプロジェクトの進め方を考えることが肝要です。
2)現状の課題と目的を共有する
「今のままだと何が問題なのか?」
「今のままで5年後、10年後を迎えるとどうなるか?」
「そのためにどのような制度改定が必要か?」ということを
現場とも丁寧に共有しながらプロジェクトをスタートできると
その後の動きが非常にスムーズになります。
3)作る過程で現場を巻き込む
最初に課題と目的の合意形成が取れても、
時間が経って現場が関わる機会が減って「経営側が勝手に作った制度」となってしまうと
せっかくの手間が生かされないので、作る過程でもしっかりと現場を巻き込むことが重要です。
(悪意はもちろんありませんが、人間は忘れる生き物だからです)
もちろんトップや経営陣に全幅の信頼を置いているような組織であれば
トップダウンでゴリゴリ進めても問題になりにくいのですが、
そこまである種完成した組織というのも珍しいと思うので、
基本的にはこうしたステップに則って作ったほうが安全です。
弊社がコンサルタントとして関わらせて頂く場合は
原則このステップをふんで進めていきますが、
内部でこうした人事制度改定を進める場合も全く同じことがいえると思います。
これから人事制度改定などのプロジェクトを進めていかれる方は
ぜひ参考になさってみてくださいね!
人事コンサルタント
金森秀晃