先日、評価制度や教育制度を含む人事制度全般を
現場の方々も巻き込んで構築中のところで(医療機関です!)
プロジェクトメンバーからこんな声があがりました。
「作っていて思ったのですが、
他の専門職の専門性を把握することで初めて
自分の専門性に気づくのではないかと…」
「だからこそ、教育制度の中で
他の職種と合同で実施する場を設けるべきでは」
という非常に画期的なご意見だったわけですが、
まさにこれこそがプロジェクトを立ち上げて現場を巻き込んで
人事制度を作っていく意味であると感じました。
(パッケージを買って導入しただけではこうはなりませんからね)
プロジェクトメンバーの方が
この制度構築に関わる前から漠然と思っていたのかもしれませんし、
この制度構築をきっかけに気づいたことなのかもしれませんが
こういった場がなければこうした有意義な意見が
組織運営に反映される可能性は極めて低かっただろうと思います。
実はこうした意見は初めてではありません。
「少し考えてみればあたりまえかもしれないのですが
他職種の等級制度をみて、やっぱり他職種にもレベルがあって
私はちょっと他の職種の新人に”求めすぎ”だったんだなと気づかされました。
ちょっとかわいそうなことしましたね(笑)」
「私たちばかりが忙しくて仕事が多くて大変と思っていたのですが
等級制度をみてそれぞれの職種にそれぞれの細かい仕事があって
大変なんだなと思いました。
多職種連携の前に他職種理解が大事だと感じました。」
「討議中に他職種からみた自分の職種を知ることができてよかった。
今まで気づかなかったけど結構無茶ぶりやわがままを通してもらっていたんだなと思った。」
「今後も人事制度を見直すミーティングというていで
多職種がざっくばらんに本音でぶっちゃけトークをする場を設けたら
病院がすごくよくなりそうだと思いました」
などなどの声があがることが今までも非常に多かったのです。
多職種連携には専門職同士の相互理解が欠かせないとはよく言われますが
こうした緊急性がないけれど重要なことというのは
なかなか時間を作れず場を設けられないというのも実情かと思います。
そういう意味では、自分たちの処遇が決まる人事制度という
非常にインパクトが大きく人を巻き込みやすい題材を言い訳にして
情報共有の場を作り、相互理解を深めていくのもありですよね。
人事評価制度は「評価」を目的にすると本当にうまくいきませんが
こんな風に人材育成の手段や組織の浄化剤
(組織がうまくいく仕組みを作るための材料)として活用していくと、
とんでもなく大きな果実が手に入ります。
これから人事制度を見直そうかなと思っている方がいらっしゃれば
是非参考になさってみてくださいね。
人事コンサルタント
金森秀晃