「長きに渡り多くの方から愛される物は、機能や外観など目に見えること以外の理由があるんだなと思いました。」
先日スタッフと談笑していたところ、こんなことを言っていました。
よくよく話をきいてみると、
食器などのインテリアデザインや製造を専門とするフィンランドにある
iittala(イッタラ)という企業の展覧会に行き、そう感じたのだそうです。
デザインなどにだいぶ疎い私も、”どこかで目にしたことがある気がする・・・”と感じるような
初めて見たとしても馴染みのあるような佇まいでした。
スタッフの話を聞いていて、そう感じさせる要因はふたつあると思いました。
▼間合い
ガラス製品はスッキリとした直線を描いていたり、その繊細さゆえ
形をしっかりと決めないと製品として成立しないようなイメージがありますよね。
ですがイッタラの創業者でもあるデザイナーのアアルトは、ドローイングは細い線ではなく太い線で描いていたのだとか。
細い線で描いてしまうと、その線しか見えなくなってしまいデザインの可能性を狭めてしまうからなのだとか。
”こんな感じかな”と曖昧だったものを徐々に形にしていくという、可変的であることを信じ待つ間合いから生まれた製品たちだからこそ、私たちを尊重してくれていると感じさせてくれるのかもしれません。
▼多様性
多様性は言い換えるとカラーとも言われますよね。
イッタラ独自のカラーパレットは、なんと200色以上・・・!(゜ロ゜)
職業病なのかそこから想像が膨らんだのですが、この色の多さは
デザイナーや職人達の探究心の賜物なだけではなく根底にある、
多様性を受容することがにじみ出ているのかもしれません。
ちなみにガラス製品は、同じ色の再現がかなり難しいと言われているらしく、
その中でもこの数の色を毎回同様に作り出し、量産するのは
容易なことではなかったことは想像に難くないですよね。
人の心を動かすものには、実際に目には見えることだけではなく
作り手達の願いや周囲の人やモノに対しての尊重がにじみ出ているのを
私たちは敏感に察知しているのかもしれませんね。
日常においても目に見えることの対処に意識が向きがちですが
目に見えぬところの勝負を数多く自分に課していくことが
大事なのだと学ばせていただきました。
日々精進!
人事コンサルタント
金森 秀晃