「ヘイSIri! 8×3の答えを教えて」
「8×3 の 答え は 24です」
先日ニュースを見ていたら、このようなやり取りの映像が飛び込んできました。
夏休みの宿題の答えを、Siriに聞いてサラサラと埋めていく”今どき”小学生の宿題事情の特集でした。
管理職世代の方々もかつて苦しんだかもしれない、夏休みの宿題・・・
もしこのような状況を目にしたら、AとBどちらと感じるでしょうか?
A:すごい発想だな、思いつかなかった!
B:ちょっと、ずるくない?自分のためにならない!
AとB、どちらの思いが良い・悪いではないでしょうし
その子と自分との関係性によっても変化するかもしれませんね(子供と親、赤の他人など)。
この小学生のようなケースは仕事においてもあるあるだったりします。
よく取りざたされるのは、課題にぶつかるとすぐに上司に答えを求めてしまい自分で考えられない若手スタッフです。
とある法人の管理職Aさんもこのようなスタッフが毎年入社してくることに頭を悩ませていました。
後進の育成にも熱心だったAさんは、成長のためにということで今出来ることの他、
ちょっと勉強すれば遂行できそうなことを振っていました。
すると、自分が若手時代には考えられなかった
・すぐにできませんと言う
・正しい手順や答えを示して欲しがる
といった反応が大半だったのだそうです。
”手段にこだわりすぎなんだよな、仕事はトライ&エラーが醍醐味なのに・・・”
Aさんは内心そう思いながらもスタッフのフォローをしていたのだとか。
そんなある日のこと、Aさんはスタッフから思いもよらないことを言われました。
「Aさんと仕事するの、苦しいです」
思ってもみなかったスタッフからの反応に驚いたものの、自分は上司としての役割を
果たしてないと言われたも同然だとAさんは受け止めたそうです。
上司の役割は、組織の目的と目標に基づき成果を作ることです。
にも関わらずトライ&エラーで成長して欲しい!という思いが強すぎるあまり
スタッフに対して手段にこだわりすぎと思っていたら、自分自身がトライ&エラーという手段にこだわっていたのだと気づいたのだそうです。
また答えがある前提で育ってきた若手たちには、そもそもその概念がないがゆえに
上司や先輩をSiriのように頼ってしまう時期があるかもしれません。
彼らからすると、どうにかしたいと思って頼ってるとも言えます。
スタッフをいかに目的と目標に集中させ、行動させるかという事を最優先に設定しました。
彼らが結果を出しやすくすること=答えが必要ならば敢えて先に与えて後から考察させるというようにアプローチを180度変えました。
ただし、答えを先に与える絶対条件として”自分自身の仮説を持っているか?”というのを絶対に外さなかったそうです。
結果として成果が倍増したことはもちろん、
もともとAさんがスタッフ達に伝えたかったトライ&エラーをスタンダードとする
スタッフを徐々に育成することができるようになったそうです。
最終的に目指すところに到達できればその間のプロセスや手段が自分の思うようにならなくとも
信じ、許し、待つ事も上司の役割なのだということを改めて学ばせていただきました!
人事コンサルタント
金森 秀晃