皆さんはガッツ石松選手や井岡弘樹選手ら6人のボクシング世界チャンピオンを育て上げた
 「名トレーナー」、エドワード(エディ)・タウンゼントをご存じですか?
彼の死後、国内で最も活躍したプロボクシングのトレーナーに贈られる「エディ・タウンゼント賞」という賞が創設されるほど、非常に愛され実績を残した指導者です。
今日はそんなエディさんのエピソードを元に、「人を動かす」力について皆さんと一緒に考えてみたいと思います。
まず初めに私が最も感銘を受けたエピソードをご紹介します。
エディさんにはいわずもがなたくさんの教え子がいるわけですが、
 過去に育て上げた教え子たちに
 「エディに最も愛されたボクサーは誰か?」という質問をすると
 皆迷うことなく「自分が最も愛されたボクサーだ」と答えるのだそうです。
このエピソードには「人を動かす」秘訣が凝縮されているような気がしてなりません。
全員が「自分が最も愛されたボクサーだ」と感じるほど的確に、
 選手がわかってほしいことを理解し、認めて欲しいことを認め、
 励まして欲しい時に励まし、厳しくしてほしい時に厳しくしたのだと思います。
 これは自分本位の指導では絶対に成し得ないことです。
 とにもかくにも勝つことに執着し、選手を深く理解しようと努め、
 愛情をもって接した結果に他なりません。
実際エディさんは練習中は妥協を一切許さない鬼コーチとしても有名ですが、
 (井岡選手は常に練習中は怒鳴られていたという逸話もありますね!)
 負けると判断したら誰よりもタオルを投げるのが早いコーチとしても有名でした。
 その理由は「ボクシングを辞めた後の人生の方が長い。
 誰がそのボクサーの面倒をみるのか。無事に家に帰してあげるのもトレーナーの仕事だ」というものです。
勝つことだけではなく、人として関わり、
 選手の人生、一生を考えていることが伺えます。
そんな人から「立て!闘え!」と言われたら
 選手が奮い立たないはずがありませんよね。
まとめるとエディさんはこの3つを忠実に実行しているのだと思いました。
①結果(勝利)への執着
 これがないと結果的に相手のためになりませんよね。
②相手への深い理解
 これがないとただの押し付けになってしまい、
 相手の力を引き出すことは難しいでしょう。
③相手への愛情
 これは「ビジョン」と置き換えてもよいのかもしれません。
 相手の人生そのものを大切にするということですね。
この3つが揃うと相手にとっては何にも代えがたい重要な存在になり、
 「この人のためなら」「この人の言葉なら」という
 人を動かすパワーに昇華していくのではないでしょうか。
実際やろうとするととてつもなく難しいのですが、
 だからこそ価値があると思って、私も日々頑張っているところです(/ω\)
 最後に、もうひとつエディさんの好きなエピソードを。
 エディさんはこんな言葉を残しています。
 「勝った時は会長がリングで抱くの。負けた時は僕が抱くの。」
 実際この言葉の通り、エディさんは勝ったときにはすぐに帰るけれど、
 負けた時はずっと一緒にいて、病院まで付き添うのだそうです。
こんなハートフルな指導者でありたいですね!!
 日々精進!
 人事コンサルタント
 金森秀晃
 
 
 
  
  
  
  
 