「仕事をしていれば、1つや2つはわからないことが出てくるのは当然じゃないですか。
よくわからないことを認識した時点で人に聞くなり、調べるなりして解決するだけなのに
そのままわからない状態で放置するスタッフがいるんです。
後からフォローするのが大変なんで、放置するのだけはやめて欲しいんですよね」
リーダー層向けの研修をやっていると、このようなエピソードを伺うことがあります。
わからないことをその都度、解消することが社会人の基本だとわかってはいるものの、
そうした行動を実践できていない人は想定している以上に多いのかもしれませんね。
そこで今回は”放置”をストップさせるポイントについてまとめてみました!
まずはスタッフが何がわからなくてつまづいているのかを明確にさせ、把握することが最優先です。
仕事におけるわからないは、大きく下記4つに分類することができます。
①言葉の意味、またはその言葉の背景、経緯がわからない
②なぜそうなるのかの理屈がわからない
③それを行う意図、目的がわからない
④どう評価すべきなのがわからない
このようにわからないの種類は複数ありますが
この行為が生じる原因は共通していて、
”一気に・効率よく・完璧に”できることを求めてしまっているからのように思います。
根本的な対策としては、行動を小さくし回数を繰り返して分析させることに尽きます。
具体的には
・動くきっかけを与える:細分化したわかりやすい行動を2~3指示する
・得た情報から次を作る:取った行動でわからない用語やルールを5分(長くとも15分程度)調べさせる
・評価基準を示す:ゴールに近づいていたらOKとする。意味なく停滞していた時は事情関係なく指摘する。
ちょっと地味なのですが、これがすべてといってもいいくらいかもしれません。
この対策がないままだと
・ゴールに至るまでのプロセスを細分化できず、当人にとって行動のハードルが高くて動けない
・トライ&エラーで修正がなされないため、効率があがらず(注力すべきところが曖昧なまま)息切れして頓挫する
・ゴールに近づいたことが評価基準ではなく、できた・できないの行動に対しての評価となり目的の理解が深まらない
のような状態になってしまいます。
いかがでしょうか。
仕事において不明点・疑問点が出てくるということは
業務に真摯に向き合っていることですし、ごく自然なことだと思います。
上司側からするとプロセスをスタッフに肚落ちさせるのは最初は手間に感じることもあるかもしれません。
ですが放置してしまうという弱さをクリアするプロセスを手にしたスタッフは
組織にとって欠かせない存在になっていくように思います。
ぜひトライなさってみてください!
人事コンサルタント
金森 秀晃