皆さんは2015年のラグビーW杯で優勝候補である南アフリカに勝利した
「世紀の番狂わせ」を覚えていらっしゃいますか?
テレビの前で大歓喜したのがついこの前のようですが
もう6年以上も前になってしまうのですね。
(当時、「五郎丸歩ポーズ」も話題になりましたね!)
その「世紀の番狂わせ」を牽引したのが
前・日本代表ヘッドコーチのエディー・ジョーンズ氏です。
そのエディ・ジョーンズ氏がチーム作りに際し
最も重要視していたことの一つに「人事評価」があると言われています。
ですがそれはおそらく私たちがイメージするような「人事評価」ではありません。
エディコーチは、人事評価を完全に手段化したのです。
人事評価を単に選手やコーチを「評価するため」に使うのではなく、
「進化・成長する」、「日々生産性を高める」ためのシステムとして
人事評価制度を捉え、活用なさっていたそうです。
「年2回の人事評価なんてとんでもない。
評価は常に、毎日やらなければならない。」
という言葉にその真髄が現れているようです。
目標に向かって、月単位、週単位、そして毎日の評価を行い
進捗確認と修正を繰り返して、進化・成長を追求し続けた結果、
あの「世紀の番狂わせ」が起こったのでしょう。
確かに評価を目的とするならば年2回である意味十分なのかもしれませんが
成長・育成・生産性向上、組織の目標達成を目的とするならば
評価・修正は毎日当たり前のようになされるべきですよね。
日本でいきなり年2回の評価を日に1回としてくださいとなると
少しハードルが高いのでは…と感じる方も多いでしょう。
ですが、ポイントさえ押さえれば、
エディコーチが実践していたことと
同じような仕組みを構築することができます。
①期初の合意形成~ビジョン、目的の共有~
単に短期目標を共有するだけでは意味がありません。
重要なのはビジョン・目的であり、
被評価者本人が目指したい、乗り越えたい壁、
上りたい山になっているかどうかが重要です。
②レベルに応じた「目標」を提示する仕組み
これがいわゆる等級制度です。
等級制度は単に役割のレベルを定義するものではありません。
「あなたならできる」というメッセージを込め、
”どんな上司でも”的確に相手にあったレベルの目標を提示することができる
という仕組みにすることがポイントです。
③短時間・頻回のコミュニケーション
これがエディコーチが大事にしていた評価と修正の肝になる部分です。
何も毎日1時間しっかり評価面談をせよということではなく
1日1分でも3分でも目標と現状のギャップを確認し
行動や考えを修正する場を設けるということです。
この変化を記録するツールも広い意味ではとても重要になりますね。
人事評価は「目的」が変われば、すべてが変わります。
それに合わせて若干「構造」や「運用」を見直すことは必要ですが
一番重要なのは目的です。
評価のための評価は、極端な話、
時間と労力だけはとんでもなく食うのに
職員の満足度と生産性はちっともあがらない
なんていうことにもなりかねません。
(やっているという経営陣の満足のために
存在するような評価制度は全く手に負えません…)
自分の組織の評価制度はどうでしょうか?
評価は進化・成長のためのツール、
一人ひとりの生産性を高め、一人ひとりの可能性と挑戦を引き出す手段
になっていますか?
「うちの評価制度、大丈夫かな…?」
と思ったら、是非、こちらの動画などものぞいてみてくださいね。
人事コンサルタント
金森秀晃