「新人に簡単な資料作成をお願いしたところ、
一向にあがってこないので、たまりかねて聞いてみたら
“縦軸と横軸を何にすればよいかわからなくてできませんでした”
と言われて、衝撃を受けています。
彼らには考える頭がないのでしょうか?」
実は、ここ数年でこのようなご相談をいただく機会が非常に増えました。
・失敗してもいいからまずやってごらん
・できたらもってきて
・やってみてから質問してみて
こうした言葉が全く通用しないというのです。
(中にはWikipediaをコピペしたものを提出したという強者も!?)
「まず経験させてみてからフィードバックする、
その方が気づきや学びが多く、成長が早いからだ」
ということで、今までもこのような言葉がけをして
愛情をもって部下を育ててきた方もたくさんいらっしゃるかと思います。
まったくもって正しいのですが、最近ではそれが通用しない、
むしろ部下のモチベーションを下げてしまう現状があると言われています。
それはなぜか?
答えは簡単で
若い世代の方々はいわゆる「試行錯誤」をしなくても
ググればすぐに誰かの出した手順や答え、考察があって
それで多くのことを万事解決できたからです。
ですからググっても手順が出てこないものについては
どう対応したらよいか検討も付かない…となってしまうのでしょう。
なので決して「やる気」がないわけではありません。
ですから、我々管理者側としては手間をかけて
小さく小さく試行錯誤の経験をさせてあげる必要があるということになります。
ポイントは、指示を3つのポイントにわけること!
①目的・目標
何のための資料か、いつまでにどのくらいの時間で完成させるかetc
例)安かろう悪かろうということをお客さんに示すための資料です。
明日の12:00までに30分程度で一旦仕上げてもらいたいと思います。
②段取り・手順
考える道筋をいくつかの段階に分けて示す
例)~を効果的に見せるためには縦軸と横軸を何にするとよいか決めるといいね。
縦軸と横軸を決めたら一度僕に見せてください。
そこで一度意見交換をしてからグラフにしてみましょう。
③内容
例)縦軸を金額、横軸を耐久性としました。
最低限、以下の①と②は丁寧に合意形成を取りましょう。
③の中身はある程度、部下の裁量に任せて
ここで試行錯誤をさせてあげられるとよいでしょう。
だんだん慣れてきたら、
①だけ伝えて②を自身に考えてもらって適宜修正、
③を任せるという形もできますし、
それができるようになったら①を伝えるだけでも
「まずやってみる」ができるようになってきます。
最初は手間がかかって大変だと思われる方も多いとは思いますが
手順さえわかれば水を得た魚のように生き生きとする若者も多いので、
是非試してみていただければと思います。
人事コンサルタント
金森秀晃