「マネジャーをやりたいという職員が少なくて困っている」
もはや定番のようなお悩みですが…
このお悩みがなくならないということは、
わかっていてもなかなか難しいということなのかと思います。
原因は色々とあるかと思いますが…
・マネジャーは大変そうだけど幸せそうではない
・給料はあがるかもしれないけれど残業は増えて時給としては下がる
・マネジャーになると責任だけが重くなって損をする
マネジャーになっても自分の人生において良いことがまるでない
と思っている人が多いことが、
マネジャーになりたい人が増えない大きな原因になっていますよね。
にも拘わらず、多くの組織が打ち出す
マネジャーになりたい人を増やすための対策が
「マネジャーの給料を増やす」という報酬制度改革に留まっているということは
この問題が一向になくならない一つの原因と言えるでしょう。
重要なのはこのように報酬制度など一部の仕組みを変えるだけでなく、
「組織文化」を変えることです。
とりわけ「組織はマネジャーのどのような行動をよしとしているのか」を明確に示すことが非常に重要です。
管理者であればやむを得ず自分がやらざるを得なくて自分の仕事が増えてしまうこともあるとは思いますが、
それを「これこそ(長時間労働こそ)管理者の鏡」とする組織か
「自分でしかできない仕事が多いのはマネジメント能力が低い」と考える組織かで
その組織の空気感、文化は大きく左右されることになります。
良いパターンは
「マネジャーになることは自分の人生を豊かにするし
仕事においてもプライベートにおいても自分にとって圧倒的に得だ」
と多くの社員が思っている状態ですから、
マネジャーが定時にあがることや私用でお休みをとることも
仕事の調整ができていればむしろ良いことだという空気感がある状態ということになります。
逆に最悪なパターンは
(法的な観点からそういう解釈ができてしまうのも、
ある意味当然だと思うところはありますが)
「管理者は残業代を払わなくていいから、
部下に残業させるくらいなら残業代を払わなくていい管理者がやれ」
というような文化が色濃く残っているパターンです。
(時と場合によってはそういこともあるでしょうが、
条件反射でそうなっている組織は危険だと言わざるを得ません)
これではいくらマネジャーの給料をあげても成り手は一向に増えません。
確かにその時に出ていくお金だけを考えれば
企業努力としてそういうことになるのかもしれませんが、
長い目でみたら「そういうそんな役回りをやらされるのは嫌」
「長時間働くことが前提の人でないとマネジャーはできないから嫌」
というマネジャー拒否勢を増やすだけですので、
キャリアアップしたいという方が増えず後々困ることになるでしょう。
マネジャーの魅力を高めないといけないから、
とりあえず給料アップ!!など報酬制度だけに目を向けず、
マネジャーに何を求めているか、どのようなマネジャーが評価されるのか、
マネジャーのどのような行動を組織はよしとしているのか、
というところに目を向けて評価制度や文化づくりをしていくと、
より根本的な改善が臨めると思います。
時間はかかると思いますが、
この文化づくりというものは急がば回れで効果はてきめんなので、
マネジャーになりたい人がいない問題で悩んでいる組織の方々は
是非参考になさってみてください!
人事コンサルタント
金森秀晃