みなさんはジンザイという言葉には
4つの漢字があるという話をきいたことがありますか?
人財…組織の宝、人材の中でも特に貴重な存在のこと
人材…貴重な能力をもって組織に貢献してくれる存在
人在…組織にただいるだけの人
人罪…組織にいること自体がマイナスになるような人
この4つのジンザイを踏まえて
人財を増やし、最低限人在ではなく人材となるように育てる
ということを考える方が多いと思います。
もちろんそうあるべきだと思いますし、
その方法については様々なところで語られていることでしょう。
そこで今回はあえて
「人在」と「人罪」について語っていこうと思います。
「人在」というと、ただいるだけということになりますから、
一般的にはあまりよいイメージは持たれないと思います。
ですが、私はこれまで20年以上組織作りや
チームビルディングの仕事をしてきて
「人在」に対して少し違ったイメージをもつようになりました。
というのも、強い組織には
「人在」には居場所があり、
「人罪」には居場所がない
という法則に気が付いたからです。
つまり、強い組織には「人在」が必要だということになります。
その前にまず「人在」と「人罪」の違いについて考えておきましょう。
その違いは「姿勢」にあります。
能力があっても何もしない人、
成長したり改善していく姿勢のない人はいるだけで
お金が使われてしまうわけですからこれはもはや「罪」です。
いつも反対意見だけいって組織の変革を阻害する人も
組織に不利益をもたらすという意味で「人罪」と言えるかもしれません。
一方で、能力はなくても仕事やお客様に真摯な姿勢を持っている人、
だからこちらも励みになるし、時には癒される、
そういう方は、時間をかけて人材、人財に移行することもあるかもしれませんし
もし移行しなくても十分意味のある「人在」だと思うのです。
能力があって成果を出せる人だけがいられる組織というのも
ある意味理想的かもしれませんが、
2:6:2の法則を考えるとそれは現実的ではないでしょう。
だとすれば、2の中身から「人罪」を可能な限り排除して
2を「いてくれるだけでありがたい」「人在」でいっぱいにする方が
理に適っていますよね。
強い組織では、制度や風土でそれぞれに異なる環境を用意します。
「人罪」には徹底的に居心地が悪い状態を作り出し、
「人在」は優遇はされないけれど心地よい居場所を用意するイメージです。
「人在」の捉え方次第で、組織のあり方も大きく変わります。
人財と人材にだけ目を向けるのではなく、
「人罪」と「人在」のすみわけも視野に入れて制度や風土、
チーム作りを検討してみてくださいね♪
人事コンサルタント
金森秀晃