「部下がストレスに弱いのか、注意するとすぐに落ち込んでしまう」
「ストレスに強くなさそうに見えるので、プレッシャーのかかる仕事を頼みづらい」
管理職クラスの方向けに研修をしていると、このようなお悩みをよく伺います。
このような場合、ストレスに触れさせないようにする、こまめに話をきくというのが一般的です。
これらは本当にしんどい時には選択肢としてはアリだと思います。
ですが部下にとってのストレスそのものはなくならないので、
根本的な解決にはならずまた別のケースで似たようなことに
ストレスを感じ続ける・・・ということになりかねません(´Д`)
部下の今後のことまで視野に入れるならば、
敢えてストレスに触れさせて、後天的に鍛える機会を作ることも
上司の役割として必要ではないでしょうか。
ストレスと感じる要因として一般的には経験不足、処理能力不足、感知能力不足などありとあらゆる”不足”があるとされています。
確かにこれらの要素はあるかもしれませんが、真の問題は能力不足ではなくて、
ストレスは我慢するか避けるという2択になっていることにあると思います。
どんなことをストレスだと感じているか、
本人が蓋をしていたストレスの中身を見て、
我慢するか避ける以外の選択肢があることに気づかせ、
かつ選択肢を増やせるようにしていくことが大切です。
上司がフォローする主なポイントは3点あります。
▼部下が感じているストレスを、初めて聞くモノのようにきく
仮に上司にとって取るに足らないような内容であっても、本人にとっては一大事です。
イヤだと思っていることに共感を示すことで、ストレスの中身と向き合わせる準備ができます。
▼ストレスの中身を確認する
ストレスを我慢・避けるの選択肢になってしまうのは、ストレスを漠然と捉えてしまっているからです。
ストレスだと感じる場面で、どんなことにストレスを感じるかとそう感じる理由を掘り下げます。
▼我慢する、避ける以外の行動を設定する
ストレスを感じたら、手帳の片隅に書くなど「え、こんなことでいいの?」と部下が言ってしまうくらい簡単なことで十分です。
行動したらいつもよりもちょっと楽になったと感じさせることで部下自身が我慢・避ける以外の行動を模索するようになります
部下のコンディションは可変的です。
「この人はストレスに強い」
「この人はストレス耐性が低い」と決めてかかってしまうと、
部下の心が折れそうになっているのを見過ごしてしまったり、
成長の芽を摘み取ってしまったりすることにもなりかねません。
部下を育み、チームとして仕事を楽しめるよう、
ぜひ活用なさってみてください!
人事コンサルタント
金森 秀晃